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守山の佐川美術館でベルナール・ビュフェ展 初期から晩年までの作品67点

佐川美術館で開催中の「ベルナール・ビュフェ 偉才の行方」

佐川美術館で開催中の「ベルナール・ビュフェ 偉才の行方」

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 フランスの画家「ベルナール・ビュフェ」の作品を展示する企画展「ベルナール・ビュフェ 偉才の行方」が7月16日、佐川美術館(守山市水保町北川)で始まった。

自宅を描いた「ラ・ボームのテラス」を見る来館者

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 ベルナール・ビュフェ美術館(静岡県)の開館50周年記念企画展の巡回展。巡回展は佐川美術館が初。ビュフェが19歳の時に描いた作品から晩年の作品まで67点を8章に分けて展示する。

 ベルナール・ビュフェ美術館学芸員の杉崎有拡(崎はたつさき)さんによるとビュフェは、戦後にみんなが食べ物を探す中、画材を探していたという。1948年、20歳の時に批評家賞を受賞。黒い線と暗い色彩で描かれた絵は「第2次世界大戦で疲弊したフランス人の心を映し出している」とフランスの美術界から高く評価され、若くして人気画家となった。1952年からは48年間にわたり、毎年異なるテーマで個展を開催した。1960年代になると描くテーマが「俗っぽい」とされ、時流に逆行する具象画へのこだわりが非難の的となり、評価は一変したという。1980年代には再度評価が高くなり、2016年にはパリで回顧展が開催された。

 企画展では、ベッドシーツやズボンなどを縫い合わせて作ったキャンバスに描かれた初期作品から、家族を描いた作品、晩年に死を直視して描いた「死よ万歳」などを展示。多種多様なテーマで描かれた作品も展示している。笑顔を見せないピエロの絵、ニューヨークの街並み、大相撲の大乃国、奈良の鹿、昆虫、自動車などの作品を紹介。8月26日に7点入れ替えて展示する。

 「ビュフェの絵に明るい絵はない。死を感じさせる作品がほとんど」と杉崎さん。「阪急三番街のチョウのロゴマークや、大阪松竹座に飾られている『暫(しばらく)』など、関西の人は気付かないうちにビュフェの作品を目にしている。この機会に生涯の作品を見てもらえれば」と呼びかける。

 同展の開催に合わせ、隣の展示室では佐川美術館が所蔵するビュフェの作品12点を初公開している。

 開催時間は9時30分~17時。月曜(祝日の場合は翌火曜)休館。入場料は、大人=1,300円、高校生・大学生=900円、中学生以下無料(要保護者同伴)。9月28日まで。予約必須。

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