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大津の滋賀県立美術館で「おさんぽ展」 谷口ジロー「歩く人」の原画も

「京都まち歩き」の作家光島貴之さん、映像作品「〈欲望〉について」の作家うらあやかさん、「妖怪」の作家鵜飼結一朗さん(写真左から)

「京都まち歩き」の作家光島貴之さん、映像作品「〈欲望〉について」の作家うらあやかさん、「妖怪」の作家鵜飼結一朗さん(写真左から)

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 散歩がテーマの美術展「おさんぽ展 空也上人から谷口ジローまで」が現在、滋賀県立美術館(大津市瀬田南大萱町)で開催されている。

菊池契月「散策」の展示は10月19日まで

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 9月28日に開幕した「わたSHIGA輝く国スポ・障スポ(第79回国民スポーツ大会・第24回全国障害者スポーツ大会)」の開催を記念した展覧会。担当学芸員の小井川理(あや)さんは「国スポの開催を機に、美術館として何かできることはないかと考え、私たちの暮らしの中に根差す運動として散歩をキーワードに企画した」と話す。

 犬を連れて歩く少女を描いた菊池契月の「散策」などの絵画作品のほか、重要文化財の「空也上人立像」などの文化財を含む74作品を一部入れ替えながら展示する。

 「野に出る」「街へ出かける」などのテーマごとに7章に分けて展示。第1章「どちらまで?」では、展覧会を着想したきっかけとなった「散策」のほか、散歩の途中に知り合いと話し込んでいる光景を描いた小倉遊亀の「春日」など、散歩の風景を描いた作品を紹介している。

 第6章「散歩で出会う」では、漫画家谷口ジローの「歩く人」の原画と作画の参考資料とした写真を併せて展示する。

 滋賀県内の寺に伝わる修行のために歩いた僧侶の像と絵画も展示。「空也上人立像」(荘厳寺・近江八幡市)のほか、「一向上人像」(蓮華寺・米原市)、「一遍上人像・六字名号」(浄信寺・長浜市)を展示する。

 光島貴之さんの「京都まち歩き-学生時代の左京区」は、全盲の作家光島さんが木製板にくぎやカッティングシートなどの素材を合わせて作った作品。光島さんのアトリエから市バスに乗り、北大路バスターミナルを経て琵琶湖疏水沿いの哲学の道を散歩する道中を10個のパーツで表現している。光島さんは「作品に触りながら見て、いろんな感覚を使って感じてほしい。視覚だけではなく触覚で、私がどんなふうに町を歩いているのかを感じてもらいたい」と話す。

 小井川さんは「公園の中にある美術館なので、展覧会を見た後に美術館の周りを『ちょっと歩いてみようかな』と思ってもらえれば」と呼びかける。

 開館時間は9時30分~17時。月曜休館(祝日の場合は翌日)。観覧料は大人=1,200円、高校生・大学生=800円、小・中学生=600円。11月16日まで。

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