
Bリーグ1部の滋賀レイクスが10月18日・19日、滋賀ダイハツアリーナ(大津市上田上中野町)でエヴェッサ大阪と対戦した。
18日試合時間残り3.8秒、フリースローを打つトーマス・ウィンブッシュ選手
開幕節の2戦を落としたものの、12日・13日のホーム開幕の京都ハンナリーズ戦2戦と15日の琉球ゴールデンキングス戦に勝利。18日をホーム開幕から3連勝で迎えた。
立ち上がりは大阪のペースで試合が進みリードを許す。シュート確率が上がらない中、全員でオフェンスリバウンドを拾い続け、粘り強いディフェンスで徐々に点差を詰める。会場の大声援を受け、3クオーター(Q)終盤から4Q前半にかけてさらにディフェンスの強度を高める。攻撃のペースをスローダウンさせ24秒バイオレーションを3回誘発。バイオレーションとは攻撃側のチームが24秒以内にシュートしてボールをリングに当てないと相手チームに攻撃権が移る違反のこと。4Q開始5分22秒まで得点を許さず、10-0のランで逆転。大阪に追い付かれ、70-70の同点で迎えた試合時間残り3.8秒、トーマス・ウィンブッシュ選手がファウルを受け、フリースローを2本獲得する。1本目を沈め、2本目をわざと外すと、リバウンドを拾った大阪の選手がパスミスし、試合終了。71-70で勝利した。
2本目のフリースローを外すという指示を出した滋賀の前田健滋朗ヘッドコーチ(HC)は「判断は難しかったが、2本目を決めるとタイムアウトを取った大阪のボールでフロントコートからプレーを再開されてしまう。それよりも、2本目を外してリバウンドから3.8秒を守り抜く方が、相手は確率の低いショットを打つことになると考えた」と振り返る。
ウィンブッシュ選手は「自分のフリースローの成功率が下がってしまうので、決めたい気持ちはあったが、意図的に外すことがベストだと判断した。コーナーの方向にボールが飛ぶように上手に外すことができた。相手のターンオーバーを誘発し、勝利につながったので結果として『良いミス』だった」と話す。
19日の試合も大阪のペースで始まり、滋賀のシュートが入らず大きくリードを許す。2Q、ザック・オーガスト選手の得点などで点差を詰めるがファウルの笛を多く吹かれ、流れをつかむことができないまま28-45で前半を終える。3Q開始早々に、攻守でけん引してきたオーガスト選手が5つ目のファウルで退場。この時点で30-50と20点のリードを許していたが、ライアン・クリーナー選手や岡田泰希選手らの活躍で得点を重ね、3Q終了時点で6点差まで迫る。
クリーナー選手は「チームメイトに『何があっても、あきらめるという選択肢はない』と伝えた。困難に直面した時、チームで打開していくということを話し続けていた。オーガスト選手が退場しても誰もあきらめることなく、一つ一つのプレーを丁寧に積み重ねた」と振り返る。クリーナー選手の言葉通りは全員が最後まで粘り強くプレーしたが、序盤の点差を埋めることができず、72-80で敗戦。12日から続いたホーム5連戦を4勝1敗で終えた。
前田HCは「手応えを感じたからこそ、(19日の敗戦の)悔しさがより強くなっている。今のチームには、勝ちを積み重ねることが必要なので、4つ勝ちを積み上げられたのがよかった。必死にファイトし続けることによって、少しの光は見えるのかもしれないという手応えは感じている。今は光が漏れるくらいの隙間だがこじ開けていきたい」と話す。