地域密着型ブログサービス「滋賀咲くブログ」が3月31日、サービス提供を終了する。
滋賀咲くブログは2006(平成18)年6月にサービスを開始。地域の個人や事業者が自由に情報を発信できる場として成長し、登録ブログ数は約1万、現在も1日50~60件の記事が更新され、日々約100人が訪れる。
近江ディアイ(大津市打出浜)社長の藤澤栄一さんは開設当初から編集長兼技術スタッフとして運営に携わっていた。2014(平成26)年に一度離れたものの、2024年に終了が検討されていることを知り、「なくしてしまうのはあまりにも惜しい」と運営を引き継いだ。
滋賀咲くブログは外部事業者が提供するブログシステム「CLOG」を利用して運営しているが、システム保守会社の突然の変更やトラブルなどが相次いでいたという。藤澤さんは「このままでは、いつサービス自体が止まるか分からない。そうなれば、皆さんが長年書きためて記事が、何の猶予もなく消えてしまう」と危機感を持ち、独自の新たなサービス「げじげじ」を開発。滋賀咲くブログの終了を決断したと明かす。
藤澤さんは「ブログはSNSと違って、過去の記事が積み重なり、検索され、地域の記録として残っていく。まだ役割は終わっていない」と話す。草津の文化や地域史をつづったブログの移行相談を受けた際には、「地域の歴史を残す貴重な資料だと感じた。こうした記録が誰にも気付かれないまま消えてしまうのは避けたかった」と振り返る。
現在、他サービスへのデータ移行機能を無料で提供しており、移行先の一つとして「げじげじ」を案内している。「げじげじ」はブログポータルではないが、記事の保存性や閲覧性を重視した設計だという。
すでに約100人が移行を完了。「げじげじ」に移行した東近江市の弁当販売店「BENTO.」の店主、上原知子さんは「地域の人に店のことや作り手のことを知ってもらうためにブログを始めた。その時の出来事や思いなどを一つの記事としてまとめてきた。その積み重ねが店の歩んできた記録として残っている。開業以来ブログと共に歩んできたので、全てが消えてしまうのは寂しかった」と移行を決めたという。
藤澤さんは「まだ私も気付いていない貴重なブログがきっとある」と話す。「げじげじでなくても構わない。3月末までに、どこかに移してほしい。このまま突然消えてしまう前に、この20年分の地域の記録を未来に残したい」と呼びかける。