「大津百町大博覧会」の開催を記念して「大津百町歴史探索~湖上セミナー&博物館・まちなか歴史探検!」が3月17日に行われた。市民ら約40人が参加し、湖上セミナーとまちなか探索を楽しんだ。NPO法人「浜大津観光協会」が主催した。
まちなか会場「旧大津公会堂」で開催されている「百町をマッピング!」企画
同博覧会は大津市歴史博物館のほか、まちなか会場(旧大津公会堂、大津百町館)の3カ所を会場に同博物館、市民グループ、大学等が共同して5つの企画を展開している。この日は大型客船ビアンカで湖上セミナーを行った後、博覧会会場を見学しながら大津百町を散策した。まちなか散策には大津観光ボランティアガイド6人が付き添い、まちなかに残る「大津城」の痕跡や昔の大津の町について解説した。
湖上セミナーでは「『ペーパークラフト大津城企画』について」(講師=成安造形大学講師の森田健さん)と「大津百町-港町・宿場町・門前町-」(講師=大津市歴史博物館の樋爪修館長)が行われた。
森田さんは戦国時代に失われた大津城を3次元CGで復元しペーパークラフト化するまでの経過を、スライドを使って説明。完成したペーパークラフトのプロトタイプも披露された。「外観がわかる資料がない大津城。あるのは推定図面2点(平面、断面)のみ。正面のフォルム推定のため三井寺や彦根城など取材した。推定平面図は台形の形状になっており、ゆがんだ入り母屋の大屋根形状に悩んだ」と森田さん。同協会の川戸良幸さんは「いろいろな人に大津城のペーパークラフトを作ってほしい。来年度には台紙を公開できるようにしたい」と意気込む。
樋爪さんは、さまざまな年代の地図、写真を使って大津のまちなかの変遷を歴史話を交えながら説明。参加者がまちなか探索の最後に訪れた歴史博物館では企画展「大津百町」展示作品の解説も行った。参加者はうなずきながら話に聞き入った。樋爪さんは「随分と変容した大津の町中、湖岸ラインだが、そんな中でもよく観察すると歴史の痕跡が随所に残っている。本当の意味での文化財かもしれない(笑)。人と同じようにまちにも履歴書がある。一行でも多くまちの履歴を残したい」と話す。3年前からはまちの記憶を受け継ぐ活動として「いまきいとき隊」を結成。お年寄りから昔の体験談を聞き取る活動を行っている。記録された映像は大津百町館会場で上映されている。
地元大津市から夫婦で参加した南部夫美子さんは「とても楽しかった。普段散歩している場所に、さまざまな歴史があることに感動した。まちを散策する楽しみが増えた」と笑顔で振り返った。
同博覧会の開催は4月14日まで。まちなか会場の一部は3月31日まで。詳しくはホームページで確認できる。