滋賀医科大学医学部附属病院(大津市瀬田月輪町)で8月8日、入院患者の給食にブラックバス料理「びわバスのカレーソース」が登場し、入院患者に提供された。
ブラックバス料理は県庁の食堂で「外来魚駆除を目的」にメニューとして提供されていたことから、同院でも昨夏から試作に入った。3月に患者全員に試食してもらった結果、62%が「おいしい」と答えたことからメニューとして取り入れ、今年5月から試験的に提供を開始。
ブラックバスは琵琶湖の生態系に影響を及ぼす外来魚として駆除対象になっている「悪役」だが、料理としては脂質が低く、消化吸収を助け食欲増進につながるタウリンが豊富で栄養価の高い白身魚として扱うことができる。淡水魚特有のにおいを消すため「ムニエル」「チリソース」「ネギ味噌焼き」など濃い味付けが合うという。同料理を食べ終えた患者は「言われなければ全く分からない。普通においしく食べることができた」と答える。
栄養治療部の岩川副部長は「栄養学的にも良い食材で、ヘルシーでおいしく食欲の少ない患者にお薦め。低脂質のためメタボ対策としても期待される」と話す。北尾調理師長は「調理する上で、においを消すために牛乳にひたしたり、香味野菜を使った工夫をしている」とし、「一般の家庭でも食べてもらえるようになれば、びわ湖の外来魚駆除に少しでも貢献できる。今後レシピなどを公開し少しでも多くの人に知ってもらいたい」と期待する。
今後は、病院改装工事が終わった来年4月から本格的なメニューとして取り入れていく予定。