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大津歴史博物館で「百人一首かるたの世界」展開幕ー聖地で100組一挙

現存最古の百人一首かるた「道勝法親王筆百人一首歌かるた」(滴翠美術館蔵)(写真=大津市歴史博物館提供)

現存最古の百人一首かるた「道勝法親王筆百人一首歌かるた」(滴翠美術館蔵)(写真=大津市歴史博物館提供)

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 大津市歴史博物館(大津市御陵町2)で10月5日、「百人一首とかるた」展が開幕した。

競技かるたの聖地

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 現存最古、380年前の百人一首かるたをはじめ、商家や寺院に伝わる華やかなかるたから現代の多彩なかるた100組までが一挙に公開される同展。競技かるたのあゆみに至るまで、意外と知られていない百人一首かるたの歴史と魅力を紹介する。

 かるたは16世紀にポルトガルから伝来したことが起源。定番化している「小倉百人一首」は平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて活躍した公家の藤原定家が選んだ「ベスト版」といえる私撰(しせん)和歌集で京都嵯峨野の別荘「小倉山荘」のふすまの装飾に依頼されて作った色紙が始まり。江戸時代・寛永期に公家の文化として最盛期を迎える。遊具としてだけではなく、裕福な家庭は嫁入り道具の本類として蒔絵(まきえ)の箱に入れて持たせた。元禄(げんろく)期に入り肉筆彩色のかるたは木版印刷で大量生産されるようになり一気に大衆化した。

 近代以降のかるたは、石版・銅版の印刷も用いられるようになった。「小倉」に限らず、戦争時の「愛国百人一首」や「近江百人一首」のご当地百人一首など「異種百人一首」といわれるものも多数誕生した。大津を舞台に描かれる漫画「ちはやふる」の原画も展示されている。

 近江神宮の祭神の天智天皇が小倉百人一首の巻頭であることにちなみ、競技かるた日本一を競う「かるた名人位・クイーン位決定戦」をはじめとして、多くの全国大会が開催されることから、大津は競技かるたの聖地として知られる。今月20日には、同決定戦の西日本予選が近江神宮で開催される予定。

 国語の教師の経験を持つ大津市の清水ひとみさんは「子どもたちにぜひ見てほしい。かるたがとても上手に並べられている。心を豊かにする文化にいっぱい触れてほしい。子どもが分かっても分からなくても、親は頑張って連れてきて本物に触れてさせてほしい。びわ湖を望む町並みも楽しみながら」と笑顔で語った。

  開館時間は9時~17時(入館は16時30分まで)。月曜・祝日の翌日休館(期間中は10月15日・11月5日)。観覧料は、、大人=1,000円(前売り800円)、高校・大学生=500円(同=400円)、小中学生無料。11月17日まで。

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