モールアートのブランド「クラフトジャム」のモールアーティスト・キタナカアツシさんの作品が世界各国で反響を呼んでいる。
キタナカさんは2010年1月、ハイファイブ(草津市渋川)を設立。キャラクタービジネスに興味を持っていたことから、モールアートで動物の制作を開始。ヴィレッジヴァンガードなどに通い、「どんな人がどんなキャラを選んでいるか」などの視点でニーズを研究。作品を人に見せては反応を見、現在の指先に載る小ささのキャラを確立した。
日本でモールを生産する会社は、後継者不足などの理由から10社ほどしかない。質のいいものを求めていたところ、京都の「中野モール」と出会う。モールはポリエステルを素材とし、毛足が長いものほどふわふわとした膨らみを出すことができる。「海外で『ふわふわだ』とモールアートに頬ずりされた時、喜びを感じた」とキタナカさん。
朝日放送の番組「LIFE~夢のカタチ~」では、米カリフォルニアで今年6月に開かれたワークショップの模様が放送された。同番組で「海外に広めたい」と発言したことをきっかけに、画像共有SNS「ピンタレスト」に英語の解説を付けて画像を投稿し始め世界で注目されるようになった。来年は、マレーシア・ペナン島で夏に開催されるアートイベントへの出展、台湾・香港でのキャラクターの商品開発、ベトナムの教育テレビのレギュラー出演が予定されている。「モールアートを日本の文化として、折り紙のような世界観で『こんなただの棒からこんなかわいい動物ができる』と日本人のものづくりの精神性を伝えられたら」と意欲を見せる。「言葉・世代の壁を越えて広げていきたい」とも。
「できあがったものを買ってもらうのではなく、作ってもらいたい」というキタナカさん。モールキットは東急ハンズのクラフトコーナーのほか、「クラフトジャム」のホームページでも扱う。作り方は、「すてきにハンドメイド」2012年8月号・9月号(各600円、NHKテレビテキスト)、「モールで作るかわいい動物マスコット-曲げて・ねじって・巻きつけて」(1,260円、NHK出版)で紹介している。
毎月2回、東急ハンズ梅田でワークショップも開いている。12月20日は「サンタ羊ブローチと小さなリングトップ羊」。開催時間13時~20時。