プレスリリース

ものづくりの課題を迅速に解決する「アウトガス分析サービス」を開始

リリース発行企業:株式会社東レリサーチセンター

情報提供:

株式会社東レリサーチセンター(所在地:東京都中央区日本橋本町一丁目7番2号、社長:真壁芳樹、以下、「TRC」)は、多機能オートサンプラーを搭載したガスクロマトグラフ質量分析計(GC/MS)(※1)を導入し、多様なサンプル形態に対応した包括的なアウトガス(※2)分析サービスを開始します。TRCが蓄積してきた前処理技術の知見と、多機能オートサンプラーによる自動化を組み合わせることで、材料加熱時のアウトガス分析、臭気分析、作業環境中のガス分析など、あらゆる分析ニーズに対して、最適かつ再現性の高い分析結果を迅速に提供することが可能となりました。
本サービスを通じ、製品の安全性向上、作業環境の改善、環境負荷の低減といった社会的課題の解決に貢献し、持続可能なものづくりと安心・安全な社会の実現を支援してまいります。

【背景】

製品の開発、製造、輸送、保管、使用、廃棄の各工程において材料や製品からアウトガス(揮発成分)が発生することがあります。アウトガスには反応生成ガスや分解ガス、残存溶媒の蒸発、燃焼生成ガスなどが含まれ、異臭、規制物質の揮散などの作業環境への悪影響、金型や金属部品の腐食や付着物による成形不良などのトラブルを引き起こすことがあります(図1)。例えば、リサイクルPP(ポリプロピレン)の異臭では、製造工程でのアウトガスや、保管時の劣化、包装材からの臭い移りなどに加えて、市場回収品に由来する異臭成分の混入など、トラブル要因は多岐に渡ります。



これらの課題に対し、アウトガス分析は原因物質の特定と対策立案に有効な手段であり、事前調査によってトラブルを未然に防ぐことができます。
TRCは豊富なアウトガス分析の知見を背景に、ガスの発生状況や着目成分に応じた最適な前処理法をご提案してまいりました。しかし、アウトガスの前処理法は、対象とする成分や目的に応じて多様化するため、手順の煩雑化・分析精度の低下やばらつき、処理速度の低下などの課題が生じることがありました。そこで今回、多機能オートサンプラーの導入により複数の前処理法を1台の装置に統合し、測定まで一貫処理できる体制を整備しました。これにより、従来以上に迅速かつ高い再現性で分析結果をご提供できるようになりました。

【技術の詳細】

多機能オートサンプラーの概要を図2に示します。液体・固体・気体など、多様な試料形態に対応し、直接導入や濃縮分析など複数の試料導入方法を選択できる多機能モジュールを搭載しています。ロボットアームが自動的に多機能モジュールを交換し測定するため、加熱時のアウトガス分析や臭気分析など、多様な前処理・測定を一元化でき、高速かつ高精度で再現性の高い分析結果がご提供可能になりました。






【今後の展開】

アウトガス分析のニーズは多岐にわたり、トラブルの原因特定のための網羅的な分析や、規制対応のための特定成分のppb(※3)レベル高感度測定など、目的に応じた最適なアプローチの選択が求められます。TRCは豊富な実績に基づき、最適な分析方法のご提案、得られた結果の適切な解釈、そして多様な分析ニーズに対応できる体制整備を通じて、お客様の材料開発や課題解決を支援してまいります。

【用語説明】

※1 ガスクロマトグラフ質量分析計:Gas Chromatography-Mass Spectrometry (GC / MS)
揮発性成分を分離するGC部と、成分を同定(種類を決定)し、定量(成分量を決定)するMS部が組み合わせた装置。質量スペクトルにより化合物を高感度に特定します。

※2 アウトガス
材料の内部や表面から放出される水分や無機ガス成分、揮発性有機成分の総称。揮発のしやすさにより、VVOC(Very Volatile Organic Compounds)、VOC(Volatile Organic Compounds)、SVOC(Semi Volatile Organic Compounds)と大別されます。中でもVOCは産業活動に広く関わり、トルエン、キシレン、酢酸エチルなど多種多様な物質が含まれます。室内のVOCはシックハウス症候群の原因となり、大気中に排出されたVOCは、光化学オキシダント(光化学スモッグ)やPM2.5の原因物質の一つとなります。

※3 ppb:parts per billion
Billionは10億を意味するので、10億分の1を表します。%で表すと、1 ppbは 0.0000001%となります。

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