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大津で「伊吹大根」伝統野菜教室-びわ湖名産ビワマスも

出来上がった「伊吹大根」と「ビワマス」を使った料理で乾杯する野菜ソムリエのスカーフを巻くたちばなさん(左)とすみくらさん(中央左)、三枝さん(中央右)、礒田さん(右)と参加者。

出来上がった「伊吹大根」と「ビワマス」を使った料理で乾杯する野菜ソムリエのスカーフを巻くたちばなさん(左)とすみくらさん(中央左)、三枝さん(中央右)、礒田さん(右)と参加者。

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 明日都浜大津(大津市浜大津)2階のキットココ彩菜庵で2月10日、「滋賀ベジでクッキング『野菜ソムリエの伝統野菜教室』伝統野菜 伊吹大根編」が開催された。

映画「よみがえりのレシピ」イベントを伊吹大根でアピール

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 主催は野菜ソムリエ滋賀「バナナハート」。3回目となる同教室では「伊吹大根」を扱った。米原市伊吹町原産で、長さ15~20センチ、形は小型でずんどう型。味の特徴として独自の辛味があり、通常の大根の1.3~2.3倍の辛味成分を持つ。熱を加えると辛味がなくなり、肉質は芋のように緻密で煮崩れしにくい。昭和初期までは「大根」というと伊吹大根だったが、甘みの強いものが好まれるようになったため、一時は生産者が1戸までに減った。2005年の「道の駅・伊吹の里『旬彩の森』」オープンで伊吹大根の存在が見直され、現在では20人を超える生産者がいる。

 たちばななおこさん指導による「野菜教室」では、切ると鳴門のような赤い渦巻き模様が出てくる「ゴルゴ」や西洋野菜で皮が土のような色と質感の「黒大根」など品種の違う大根との食べ比べを体験。「大根入り甘酒」も振る舞われた。甘酒は、栄養素が豊富で消化促進の大根おろし、体を温めるショウガと合わせることで風邪予防に効果が期待されるという。

 すみくらさきこさんが担当する「料理教室」では、「スモークビワマスと伊吹大根のサラダ」「びわますロースずし、伊吹大根のたれとともに」「揚伊吹大根のみぞれあん」「伊吹大根だんごの抹茶チョコ風味」の4品のおもてなし料理について講義。「大阪チョコベジ隊」も務めるすみくらさんは、チョコフォンデュに野菜をディップして食べる試みも提案し、参加者は大根だけでなく白菜やブロッコリーなど野菜とチョコの甘味のコラボレーションを体験。意外と合うことに驚いていた。

 醒井養鱒場のビワマスを提供した県水産課の三枝仁(じん)さんは「かつて京都の飲食店の料理はびわ湖の魚が使われていたが、漁獲量が少なかったためあまり知られていない。そのため、スーパーなどでもあまり売れず流通しなくなった。知ってもらうところから始めたい」と期待を寄せる。ビワマスの味については、「塩焼きにするとサケのようだが、赤みは小エビを食料とするためであり白身魚の一種で臭みがないため、刺し身として食べるのがおすすめ」と同課の礒田能年さんも。

 大津市農林水産課の一與(いちくみ)浩士さんは、「野菜のつながりが欲しい」と畑と食をつなぐ入門として伝統野菜の料理教室を依頼。映画『よみがえりのレシピ』上映に合わせて年配の生産者によるトークショー、若手によるマルシェを企画した。マルシェには13の法人・グループ・飲食店が出店し、取り組みも掲示する。農産物を購入するだけでなくカフェを楽しむこともできる。「県・市・JAと協働で生産グループをつくっていきたい。生産量を増やすというより文化を引き継ぎたい。世代間で交流しイベント自体も引き継いでいってほしい」と期待を込める。

 映画の上映会は2月22日。上映時間は14時~15時35分・17時30分~19時05分・19時30分~21時5分の3回。各回定員80人。トークイベント「湖国で生まれ育った野菜あれこれ」=16時~16時45分、マルシェ=13時~21時30分。会場は旧大津公会堂。映画の問い合わせ・申し込みは、まちづくり大津まで。詳しくはホームページで確認できる。

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