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ホテル「セトレマリーナびわ湖」が館内見学ツアー、滋賀県内の自然素材使う

近江八景「比良の暮雪」を望む。「ナチュラルガーデンプロジェクト」では、かつてびわ湖畔に多数点在した「内湖」をモチーフとした池を中心に、地域の植物の植栽や外来種の除去など湖岸の再生に取り組んでいる

近江八景「比良の暮雪」を望む。「ナチュラルガーデンプロジェクト」では、かつてびわ湖畔に多数点在した「内湖」をモチーフとした池を中心に、地域の植物の植栽や外来種の除去など湖岸の再生に取り組んでいる

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 昨年9月にオープンして4カ月が過ぎたホテル・セトレマリーナびわ湖(守山市水保町、TEL 077-585-1125)が1月10日、毎週金曜に館内見学ツアーを始めた。

シェフによるピザ生地投げ

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 経営はホロニック(兵庫県神戸市)。神戸・姫路に続き、関西3店舗目となる同ホテルは、3階建て14室のゲストハウス風。ヤンマーマリーナ内の琵琶湖岸に位置する。昨年より館内見学の要望が多く寄せられていたこともあり、実施する運びとなった。宿泊客だけでなく、レストラン利用、ツアーのみの参加でも構わない。

 ホテル館内には、木・石・土などの滋賀県の自然素材を利用し、100以上設置されている家具も県の木材を使ったオリジナル家具を「湖東地域材循環システム協議会(KIKITO)」と「ワイス・ワイス」(東京都渋谷区)の協力の下、木材の調達からデザイン設計まで行った。

 レストラン「ミア・アルベルゴ」入り口とバンケット受け付けの壁は「大津壁」。滋賀の名工にも選ばれている守山市「江州左官土舟」の小林隆男さんの制作。「コテで滑らかに磨き上げられた質感を触ってみてほしい」と促すゲストリレーション課企画ディレクターの菊池玲奈さん。2階客室など随所に見られる地層のような壁は「版築」と呼ばれる技法。枠型に土を入れて押し固める作業を繰り返すもので、法隆寺などにも使われているという。3階客室の土壁は滋賀県のヨシ入りで信楽の土を使うなど自然との共生を生かしている。設計は、安藤忠雄さんの弟子・芦澤竜一さんが手掛けた。里山の棚田をイメージした階段上の外観など、あらゆる部分に「自然、びわ湖との共生」「地域と人々とのつながり」というコンセプトが反映されている。

 宿泊客のくつろぎのスペースとして、2階のクラブラウンジではコーヒー、紅茶、ソフトドリンクのほか、アルコール類、軽食も提供。3階のシアタールームでは、大画面で寝転びながらDVDなどを鑑賞できる。予約制でDVDの持ち込みも可能。ライブラリーは、京都一乗寺の本のセレクトショップ「恵文社」の堀部店長によるプロデュースによるもの。200冊以上の蔵書には貴重な洋書や県在住の写真家・今森光彦さんの写真集も。関東方面から「本を目当てに宿泊する客もいる」という。

 11月にグランドオープンしたミュージックホールはチャペルとしても使われ、15組の挙式が既に行われた。現在は50組の予約がある。天井には弦が渡されており、自然の風で振動することで建物全体が共鳴して音を奏でる楽器建築。家具は全て永源寺の杉が使われ、木の香りに包まれている。

 1階の「リストランテ ミア・アルベルゴ」は、びわ湖と比良山系を眺めながら、イタリアの同名の有名店の姉妹店として本場の味を提供する。シェフ自ら訪ね歩いた生産者から仕入れた無農薬野菜のほか朽木村の鹿肉や近江牛などを提供する。野菜は、守山の「ファーマーズマーケット」や「おうみんち」など多数の仕入れ先があり、「知らない野菜など、豊富にそろっていることに驚くとともに、地元の野菜を使っていることに県内の客は喜んでいる」と吉村透シェフ。「命を育む広大なびわ湖を間近に滋賀の良さをあらためて実感してもらえるのでは」とも。

 レストランの営業時間は、ランチ=11時30分~15時・ディナー=18時~21時。火曜定休。

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