天然酵母のパン店「キタノパン」(草津市芦浦町、TEL 077-568-1071)がオープンして2カ月がたった。
「もちもち」の食感が好評のパンは、全て小麦粉と水をこね合わせて自然発酵させた自家製。「何でできているのか分かるもの。優しい味を心掛けている」と笑顔で話すのは店長の高橋静恵さん。京都のパン店で1年半修行して独立した。
小学生のころから「人と同じことはしたくない。パン屋さんになりたい」と思ったこともあり、初めて自分でパンを作った時は「試食した父親の歯が折れるほど硬かった」という。「酵母作りは魔法使いが調合を行うような魅力がある」と素朴な一面を見せる高橋さんだが、開店するまでの過程には12年間の会社員の経験や、女性としてどう生きていくか悩んだ時期もあった。
高橋さんの好きな言葉は「感謝」。道具を譲ってもらうなど周りの人の助けもあったからこそ、あきらめるわけにはいかなかった。店名はパンが好きだった母方の祖父の名字から付け、父親の誕生日にオープンした。大通りから少し入った田園風景の中にありながら、朝食にするために開店から買いに来る人もいるほど知られるようになってきた。
営業時間は7時~18時。日曜・月曜定休。