Bリーグの滋賀レイクスが1月10日、滋賀ダイハツアリーナ(大津市上田上中野町)で運営スタッフによる「EAP(Emergency Action Plan)緊急時対応計画)」の研修と避難・消化訓練を行った。
研修はシーズン開幕前にも実施しており、2回目となる今回も開幕当初から実施を計画していたが、5日に同アリーナで開催した試合中に滋賀のハビエル・カーター選手がプレー中に一時意識を失い、EAPが発動する事象が発生したことを受け、再度プランを組み直した。
運営スタッフやチームドクター、トレーナー、原毅人社長ら約30人が参加。AEDやスパインボードなどの備品の確認をした後、プレー中に選手が倒れた場合と、観客が倒れた場合を想定した練習を行った。
コート上で起こった場合を想定した練習では、試合中のそれぞれの配置場所から何分で駆け付けることができるか、誰が備品を持ってくるかなどを確認。搬送時のそれぞれの役割や、どうやって処置しているところを観客やカメラから見えないように隠すかなど、アスレチックトレーナーの阿部慶太郎さんやチームドクターの北村崇之さんの指導の下、参加者で意見を出し合い、確認した。
観客席で発生した場合を想定した練習では、2階の観客席の隙間でスパインボードに患者を乗せる練習やシールドで隠しながら1階に搬送する方法などを確認。参加者は搬送途中の課題を出し合い、改善する方法を話し合った。
避難訓練では、試合中に火災が発生したことを想定し、観客の避難誘導の手順や動線を確認。消火器のデモ機で消火訓練も行った。
エンターテイメント部長の米谷仁誼さんは「5日に事象が起きてしまい、幸いにも無事に対処することができたが、想定していなかったこともいくつかあった。それを今回の訓練の前に話し合うことができたので、今まで実施してきた中でも本当にリアルな状態で確認できたのではないか」と振り返る。
「試合運営の責任者に就任したばかりの時は、どちらかというと『いかに楽しませるか』という面に注力してきた部分もあったが、ここ数年で来場者も増えていく中で、『セーフティー』の部分が重要だと改めて実感するようになってきた。非常事態が起きてしまった時に失敗は許されない。いざという時に完璧に遂行するところまで準備と訓練を積み重ねていく必要がある」と話す。