暮らす・働く 学ぶ・知る

野洲市に多世代交流拠点 高齢者と子育て世代をつなぎたい

やす地域共生社会推進協会のスタッフ

やす地域共生社会推進協会のスタッフ

  • 9

  •  

 多世代が利用することができる拠点「ホビーハウス」(野洲市北)が2月17日、オープンした。運営はやす地域共生社会推進協会。

ひだまりサロンではカラオケや脳トレなどを行う

[広告]

 空き家を改装し、和室をキッズスペースにして未就園児と保護者の交流の場として無料開放する。毎週月曜と水曜には、通所型サービスB補助事業「ひだまりサロン」を開催。参加費300円で、高齢者向けにカラオケや脳トレなど健康づくりのイベントを実施する。主な対象は、要介護認定区分が要支援度1または2、総合事業対象者など。誰でも参加可能な囲碁やオセロなど自由に利用できる交流カフェ・フリーサロン(ワンドリンク付き300円)は毎日実施している。

 オープン初日の17日には、ひだまりサロンに7人が参加した。協会理事長の川口ひとみさんは「高齢者と子育て世代をつなぐ拠点を作りたいと立ち上げた施設。サロンに来た高齢者とキッズスペースに遊びに来た初対面の子どもがカラオケや折り紙遊びで交流してくれた」と喜ぶ。サロンでは昼食も提供。母子3世代のボランティアスタッフが煮物などを調理した。川口さんは「この分野でなら自分でも福祉に携われるかもという人が集まってくれている」と話す。

 同協会は2024年10月から市内の複数の通所介護施設への送迎業務を代行する事業「ゴイッショやす」を開始し、同時に送迎の間の車が空いている時間に、ショッピングセンターへの送迎と買い物付き添い支援サービス「つれだし隊」も始めた。

 「ゴイッショ」はダイハツ工業が開発した福祉介護共同送迎の運行管理システムで、通所介護事業所が単独で行っている送迎業務を外部の団体に集約し、地域一体で運行する共同送迎サービス。「ゴイッショ」の導入は野洲市が全国2例目で、ダイハツ工業新規事業推進室の古田眞弥さんによると、空き時間に買い物支援をするのは全国初。

 「複数の施設への送迎を外部団体が担うことで、介護スタッフの負担を減らし、介護の質を上げることができる。買い物支援は『自分で刺し身を見て買いたい』という高齢男性の言葉がきっかけ。引きこもりがちになる高齢者が外に出るきっかけにしたい」と川口さん。「最初は親孝行がしたくて始めたが、数十年後の自分のため、未来の子どもたちのために仕組みをつくることが必要だと気付いた。1つの団体だけでは限界があるが、仕組みとして確立すれば、次の世代にバトンタッチすることができる。未来に仕組みを残すことが私の使命」と意気込む。

 開館時間は10時~16時。日曜休館。ひだまりサロンは利用の1週間前までに申し込みが必要。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース