県内の小学5年生がびわ湖の環境について学ぶ、県の学習船「うみのこ」が就航30周年を迎え、8月19日、記念の見学体験航海が行われた。公募で選ばれた親子連れら、約350人が午前と午後に分かれて乗船した。
びわ湖を舞台にした宿泊体験型学習船「うみのこ」は、1983(昭和58)年8月に初航海を行い、以来、30年間で約47万人以上の児童を乗せ、びわ湖の環境調査や、船内での触れ合い体験、集団生活などの学習を進めてきた。
ヤシの実を半分に割った“特製たわし”で甲板磨きを体験する子どもたち
体験航海では、プランクトンウオッチングコーナーや、ロープワークコーナー、甲板磨きコーナーなど、さまざまな体験学習コーナーが設けられた。甲板磨きコーナーでは、ヤシの実を半分に割った「特製たわし」を使い、水で濡(ぬ)らした甲板を磨いていく。甲板磨きを体験した大津市の稲田智大君(10)は、「ヤシの実のまわりがたわしって初めて知って、勉強になった。甲板がきれいになって良かったです」と笑顔で話した。
乗船客らは、それぞれのコーナーを回り環境学習や海洋活動に取り組んだほか、甲板に出て、「うみのこ」からの眺めや心地よい風を楽しんでいた。
職員の箕浦健司さんは「30年間大きな事故なくやってこられた。これからも、『うみのこ』を使った宿泊体験型教育を続けていくためにも安全第一で航海したい」と今後の抱負を語る。