うの家(守山市守山1、TEL 077-583-2366)南蔵で現在、角がなく力強い独自の筆文字で「心癒される言葉」の作品を描く癒詩作家・伊藤一樹さんの個展が開かれている。
6年目となる伊藤さんの制作活動。開始当初に守山市在住の岩村小菊さんが伊藤さんのハガキを手にしたことがきっかけに、岩村さんの応援で毎年、同市内での個展や講演会を開く。「育てていただいた守山で恩返しの思いで続けている」という伊藤さん。全国から駆けつけるリピーターも多く、「大事な家族や友人を合わせたい」と輪が広がっている。
伊藤さんは2008年、自ら始めたビジネスが上手く行かず、家賃が払えないほどの困窮を経験。辛い気持ちを吐き出すように、自宅にあった筆ペンを手にして、スケッチブックへ自分の気持ちを2日間ひたすた書きなぐった。書いているうちに気持ちが楽になり、心の整理がついて自分で書いた言葉に救われ、身を持って言葉の力を感じた。書の知識は全く無く、資金も無かったが、100円ショップで揃えた筆と墨汁を手に路上販売から活動を始めた。親からの虐待を受けていた少女が伊藤さんの言葉に出会い自殺を留まったことなど、多くの人との出会いや支えによって作家として生計を立てる覚悟を決めた。自身の体験を元にした講演活動も行い、県内では守山市・野洲市を中心に小中高校や企業などから依頼を受け、学生から年配まで幅広い支持を受けている。岐阜県土岐市で「おうちギャラリー 約束の樹」を運営し、予約制・1日2組限定で受け入れている。
「個展を通して人と出会い、一歩前へ行けるようお手伝いができれば」と意欲を見せる伊藤さん。展示を鑑賞しながら涙する人も見受けられた。
関連イベントとして、同会場で同12日10時30分~12時、「伊藤一樹 心が軽くなる講演会」(参加費当日=2,500円・前売り=2200円・同会場しのぶ庵でのお茶券付き)のほか、あまが池交流プラザで同27日、筆文字教室(参加費3,000円・材料費込み)も開く予定。教室の開催時間は1部10時~・2部14時~。いずれもメールで予約(k2.kira.6@gmail.com)。返信がない場合は電話(090-8481-1178)で岩村さんまで。
開催時間は10時~16時30分。同12日まで(最終日は12時~16時まで)。入場無料。