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大津で夜のボードゲーム会 引きこもりも「すてきな寄り道」

セレンディップ代表理事の小林勝さん

セレンディップ代表理事の小林勝さん

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 若者の生活訓練サービスをしている「セレンディップ」(大津市晴嵐1、TEL 077-531-1786)が毎月第3木曜に「夜な夜なボードゲーム会」を開催している。

「ひきこもっても稼げます」公開プログラムのチラシ

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 セレンディップは2016年4月から、滋賀県内の引きこもりや不登校、発達障害などの理由で学校や社会になじめない進路未決定の学生を対象に、働く基礎を身に付ける生活訓練を行っている。内容は、お金の基礎知識やストレスマネジメント、農作業、調理などの50のプログラムと就労体験で、若者の再チャレンジをサポートしている。

 代表理事の小林勝さんは「『セレンディップ』とは、イギリスの寓話(ぐうわ)『セレンディップの3人の王子』に由来し、王子たちが旅の途中でさまざまな出来事に遭遇し、もともと探していなかったものを発見するという物語から、『すてきな寄り道』という思いを込めて名付けた。社会になじめない若者に、就労の前段階として、人との関わり方や生活に必要なことを学び、もう一度社会とつながる場所にしたい」と話す。

 セレンディップでは、昼夜逆転している若者のために、夜に集まりボードゲームをする「夜な夜なボードゲーム会」を開催している。

 小林さんは「ボードゲームがあると会話が弾む。協力したり、駆け引きしたり、ゲームを通して人との距離感を学べる。引きこもりの原因はいろいろあるが、自分の不器用さに気づいていない場合もあるので、ゲームを通して何が苦手なのか気づく認知トレーニングにも適している。『家での自分』と『外での自分』のギャップに苦しむ子もいるが、ゲームのプレーヤーという『外での自分』を作るきっかけにもなり、『外での自分』を認めて、例えば『外ではしゃべらない自分』を許すことができれば、もっと生きやすくなる」と話す。

 ほかにも、仮想通貨やネットオークションで本を売るなどのネットで稼ぐ方法を知るイベントや、公開プログラム「ひきこもっても稼げます」を開催。山本摩由子さんがクラウドソーシングで働くということ、具体的に3万円稼ぐにはどれくらいの仕事量なのかなどを教える。

 小林さんは「大学を卒業して22歳で就職することだけが人生ではない。さまざまな選択肢があることを示したい。働いている自分と引きこもりの自分。この間を埋める場所として、まずは家を出て、ここに来てほしい。人生は長いので、これからのことは時間をかけて見つければいい。『生きていて大丈夫』と感じてほしい」と話す。

 「夜な夜なボードゲーム会」の次回開催は3月15日。開催時間は18時~21時。参加無料。随時参加可能。「ひきこもっても稼げます」の開催は3月14日16時30分~18時。参加無料。

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