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大津港で初代「うみのこ」引退式 53万人の思い出乗せて最後の出航

初代「うみのこ」の最終出航を見送る参加者

初代「うみのこ」の最終出航を見送る参加者

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 大津港(大津市浜大津5)で3月11日、学習船「うみのこ」の引退セレモニーが開催された。

初代「うみのこ」から新船へ乗船者数の書かれたプレートが引き継がれた

 「うみのこ」は、県内の小学5年生が乗船し、環境学習をすることを目的に1983年(昭和58年)に就航。1泊2日の日程で琵琶湖に住む生き物の調査や船からの竹生島や琵琶湖大橋などの見学、長浜でのウォークラリーなどを通して琵琶湖や滋賀県について学ぶ「びわ湖フローティングスクール」を実施。3月9日の最終航海までに53万9878人の児童が乗船した。就航から35年たち、老朽化を理由に2018年度から新しい「うみのこ」が就航することが決まった。

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 セレモニーに先立ち、午前中に「お別れ見学会」を行った。1927人が船内を見学して「うみのこ」との別れを惜しんだ。草津市から来た家族は「親は30年前に乗船し、子どもは昨年乗船した。夜に友だちと話をした思い出の部屋は今も変わっていなかった。きれいに掃除して、メンテナンスしてくれたおかげ。引退するのは寂しい」と振り返る。

 「うみのこ」には「交換交流活動」という学習目的もあり、他校の児童と一緒に乗船する。びわ湖フローティングスクール所長の青木正士さんは「1泊2日を船の上で過ごすことで、他校の子と仲良くなり、共に学び合ってほしいと、就航時から複数校乗船にしている。一緒に乗船した子どもたちが中学、高校で再会し、仲良くなるきっかけにもなった」と話す。

 引退セレモニーには、10歳から46歳の各年代から抽選で選ばれた乗船経験がある45人が参加。うみのこの就航歌「希望の船」の斉唱、三日月大造滋賀県知事のあいさつの後、今年乗船した小学5年生の北條陽菜さん、高校1年の馬場真衣さん、43歳の糸井良太さんの乗船経験者3人が思い出を語った。

 1985年(昭和60年)に乗船したという糸井さんは「今は東京に住んでいるが、うみのこの引退と聞き駆け付けた。『隣の学校の子と一緒に大きな船に乗る』と聞いた時は、ワクワクしたのを覚えている。手作りの名刺を作って、交換した人と文通も行った。うみのこはかけがえのない思い出を残してくれた」と振り返った。当時、糸井さんと一緒にうみのこに乗船した滋賀県議会議員の成田政隆さんは「当時は糸井君と別の小学校に通っていて、2年後に同じ中学になった。うみのこに乗ったという同じ思い出が、皆をつないでくれた」と話す。「糸井君のセレモニー出席はフェイスブックで知った」と再会を喜び合った。

 親子で乗船したという人も多く、湖南市在住の一宮晶子さんは「私が1期生として乗船して、子どもが最終年度に乗船した。当時は写真もあまりなかったが、子どもの時は乗船中にインターネットで写真を見ることができた。子どもたちと同じ話題で盛り上がれるのがいい」と話す。

 船内を見学し、「うみのこ」の思い出を寄せ書きを行った参加者たちは、出航する「うみのこ」を見送り、別れを告げた。

 新船「うみのこ」の就航は5月を予定する。