「乾燥野菜クッキング教室」が3月19日、NPO法人あめんど(大津市野郷原2)で開催された。
あめんどは子育て支援、青少年育成、子どもの貧困対策、18歳以上の就労準備支援をしている。就労準備支援の一環で、施設内で作った乾燥野菜を販売。乾燥野菜の使い方を広く知ってもらうことを目的に、野菜ソムリエの辻川育子さんを講師に招き料理教室を開いた。
10人の参加者が、ゴボウやレンコンなどの乾燥野菜ミックスを使い、中華野菜おこわとベトナム風揚げ春巻き、きんぴらエスニックサラダを作った。
大津市から参加した山中真澄さんは「道の駅びわ湖大橋米プラザで働いていて、あめんどさんの乾燥野菜を販売している。使い方を知りたいと思って参加した。野菜の甘みが凝縮されていておいしい」と話した。
辻川さんは「おこわにはだしを入れずに作ったが、乾燥野菜からうま味が出ておいしくなった。乾燥してかさが減るので、野菜の摂取量も増やせる。下処理も不要で、時短にもなる。今回は、水ではなく豆腐で乾燥野菜を戻した。豆腐の水抜きも同時にできて一石二鳥」と説明。「これからも生の野菜と合わせて、野菜のよさを生かした料理を開発していきたい」と話す。
同NPO理事の恒松勇さんは「就労する前の準備段階として野菜作りをしたら、たくさん収穫できたので、天日干しで乾燥させたのが始まり。天候に左右されないようにフードドライヤーを購入し、販売することになった」と乾燥野菜を作り始めたきっかけを話す。
「若者に畑仕事をすることで自信をつけてほしかったが、体力のない子が多く、畑仕事だけでなく、乾燥野菜作りと販売の1次産業、2次産業、3次産業全てを体験できるようにした」とも。
同NPOの方針は、「安心」と「自信」と「勇気」。恒松さんは「まずは安心できる場所になりたい。ここでは、何回でも失敗しながら、できるまですればいいと思っている。他の場所では駄目だと言われた子も、得意なこと、いいところを見つけて褒めることで自信をつけたい。そして、ここから出て仕事をする勇気を持ってもらえれば。なぜつまずいているのか、発達や身体的な理由など、問題を見つけながら指導していく」と話す。