プロバスケットボールBリーグ1部の滋賀レイクスターズが5月5日・6日の富山グラウジーズ戦に連勝し、1部残留を決めた。
Bリーグ1部の下位4チームが「B1残留プレーオフ」に出場し、プレーオフで負けると2部に降格する。滋賀は2日の島根スサノオマジック戦で負け、下位4位に転落。富山とのゲーム差は2となり、滋賀は1試合でも負けると残留プレーオフ出場が決まるというプレッシャーの中、富山から駆け付けた約600人の富山ブースターの勢いに押され、5日の試合は苦しい立ち上がりとなった。
後半息を吹き返した滋賀は、積極的なディフェンスから速攻で得点を決め、後半だけで52得点し、82対67で逆転勝利。他チームの試合結果を受け、この時点で6日の試合に負けたチームが残留プレーオフに出場することに。
6日は今季最多来場者数を連日塗り替える3625人が来場。大声援の後押しを受け、前半から積極的に得点し、17点リードで折り返す。後半は滋賀がレイアップを外す中、富山がタフショットも決めて、後半残り2分47秒で富山が逆転。しかし、高橋耕陽選手が富山の宇都直樹選手からボールを奪い、ジャンプショットを決め、再度逆転する。その後も、5日にフリースローを6本打ち、1本も決められなかったベンキー・ジョイス選手が2本連続でフリースローを決める。
キャプテンの狩野祐介選手は「ジョイスがプライドを捨てて、ボードに当てて入れてくれた」と振り返った。
試合終了間近には高橋選手がルーズボールに飛び込みリバウンドを取ると、富山のアンスポーツマンライクファールを誘い、勝敗を決めた。78対76で滋賀が勝利し、1部残留を決めた。
試合後は恒例となった狩野選手の「勝ったぞー」のマイクパフォーマンス。この日は選手だけでなく、ショーン・デニスヘッドコーチも雄たけびを上げた。デニスヘッドコーチは「シーズン中は一喜一憂せず、平常心を保つようにしていたので、いつもシリアスな顔しか見せていなかったが、今日は感謝の気持ちを表現したかった」と話した。
キャプテンとして臨んだシーズンを振り返り、狩野選手は「60試合、ずっとつらかった。勝たないといけない、自分の結果も残さないといけないというプレッシャーの中で眠れない時もあった。B2に降格したら、責任を取らないといけないと考えていた。今日、残留を決められてホッとしている。大好きなお菓子やアイスをシーズン中はずっと我慢していたので、今日から食べたい」と笑顔を見せた。
「ディオール・フィッシャー選手の奥さんの出産予定日が9日なので、残留プレーオフに行くと出産に間に合わない。チームメイトとして今日勝って送り出したかった」とも。
6日のMVPとなった高橋選手は「自分ができることは何か考えて、リバウンドを取り、ディフェンスして、走り、ルーズボールに飛び込んだ。最後まで誰一人集中力を欠くことなく、走り抜いて勝てた試合だった」と振り返った。
昨シーズンに特別指定選手として入団した高橋選手は「若手で上手くないのに、よく我慢して使ってくれた。チームに迷惑かけながらやってきたので、感謝している。ミスをするとすぐ下を向いていたが、コーチや並里成選手に声を掛けてもらって、今日は下向くことなくプレーできた」と話した。