琵琶湖博物館(草津市下物町)の田畑諒一学芸技師と北九州市立自然史・歴史博物館の日比野友亮学芸員の研究グループが新種のナマズ「タニガワナマズ」を発見し、8月16日、国際学術誌で論文発表をした。
タニガワナマズの遺伝子を発見した琵琶博の田畑さん(関連画像)
2010年、田畑さんが三重県の川で採取したナマズのDNAを解析し、一般的なナマズと違うことを発見。田畑さんは「2016年に魚の遺伝子の研究発表をした時に、未知の種かもしれないと論文に書いたが、新種と認められるためには形の違いの証明が必要で、遺伝子研究が専門の私にはできなかった。同年4月に日比野さんより共同研究を持ち掛けられ、日比野さんが形の違いをまとめ、私が遺伝子を調査し、新種だと認められた」と話す。
タニガワナマズは東海・中部地方に生息し、琵琶湖の固有種であるイワトコナマズと色が似ているが、細長く、目が横に飛び出ている。
田畑さんは「新種と認められてうれしい。日比野さんがサンプルを集めて世界の標本と比較してくれたことを感謝している」と話す。
琵琶湖博物館では9月8日から新種のタニガワナマズを展示する。琵琶湖の固有種のイワトコナマズ、ビワコオオナマズに併せて、タニガワナマズと形が似ているナマズも展示する。
田畑さんは「新種のナマズを見てほしい。東海地方に生息するタニガワナマズが琵琶湖の固有種イワトコナマズと似ているので、両方を研究することで琵琶湖の魚の歴史も分かる。魚の成り立ちに思いをはせてもらいたい」と話す。
タニガワナマズの展示は11月25日まで。観覧料は大人=750円、大学・高校生=400円、中学生以下無料。