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台風で全壊のふなずし懐石の店「湖里庵」、大津で期間限定オープンへ

湖里庵のふなずし

湖里庵のふなずし

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 昨年9月に台風で全壊した「湖里庵(こりあん)」(高島市マキノ町海津)が1月18日、「商店街ホテル講(こう) 大津百町(ひゃくちょう)」(大津市中央)で期間限定オープンする。

ふなずしのお茶漬け

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 1784年に「魚屋 治右衛門」として創業した「魚治」の6代目治右衛門が1990年に1日1組限定の料亭旅館と販売店として「湖里庵」を開店した。店名は「狐狸庵(こりあん)先生」と呼ばれた作家の遠藤周作が命名。「湖里庵へ来たら食べられるもの、湖里庵に来なければ食べられないものを名物料理として考えなさい」という遠藤の助言を受け、「ふなずし懐石」を考案した。

 昨年9月4日に台風21号の被害を受け全壊。7代目当主の左嵜謙祐さんは「瓦が鉄砲の弾のように飛んで、壁に刺さるほどの突風が吹いていた。2階が全壊し、雨も降ったので、建物をもう一度使うのは難しい状態になった。冬場は雪が降り、工事もできない。春から建て始めて、年内の営業再開を目指している」と話す。

その状況を知った食文化ジャーナリストの森枝卓士さんが全国の宿の再建を手掛ける「自遊人」(新潟市南魚沼市大月)の岩佐十良さんに「自遊人が運営している大津のホテルで湖里庵をオープンしたらどうか」と相談を持ち掛け、同店の再建までの期間限定で開店することになった。

 再建までの間、月に2回、ホテル講のフロント棟「近江屋」ダイニングエリアで、左嵜さんがふなずしなど琵琶湖の湖魚を使ったコース仕立ての料理を提供する。

 左嵜さんは「ふなずしの蔵と魚治本店は被害を逃れたが、湖里庵は1年分のご予約をお断りした。待ってくださっているお客様に料理を食べていただけたらと思い、ホテル講でのオープンを決めた。ダイニングエリアにはカウンターがあるので、ふなずしをベースに、カウンターでしかできないライブ感、臨場感を出せれば。いただいた機会を生かして、今までにない新しい湖里庵をお見せしたい」と話す。

 「ホテル講」は大津の旧東海道・商店街などに点在する町家7棟を改装して、大津の街全体を楽しむホテルとして昨年8月にオープンした。自遊人の岩佐さんは「大津で宿泊施設を運営するに当たり、滋賀の食文化が中心的なコンテンツになると思っていた。食文化を守っていくべき店の再建の力になりたい」と話す。

 1月の営業日は18日・25日。2月の営業日は9日・24日。3月以降も月2回営業予定。営業時間は18時~。料金は1万4,040円。予約は湖里庵(TEL 0740-28-1010)まで。

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