滋賀に住みます芸人「ファミリーレストラン」の単独お笑いライブ「ファミレスライブ」が4月28日、野洲文化ホール(野洲市小篠原)で開催された。
2012年7月から毎月開催し、今回で82回目となったライブには58人が来場。漫才とゲームコーナーを楽しんだ。
「ファミリーレストラン」は高校の同級生で滋賀県出身のしもばやしさんと京都出身のハラダさんが1998年に結成した漫才コンビ。よしもとクリエイティブ・エージェンシー(大阪市中央区)が2011年4月にスタートした47都道府県に芸人が住んで地域を盛り上げる企画「あなたの街に“住みます”プロジェクト」に参加し、同年5月、滋賀に移住した。
しもばやしさんは「2週間くらい前に突然、『滋賀に行ってくれないか』と会社から言われて、戸惑った状態で始まった」と振り返る。ハラダさんは「京都で生まれ育って、滋賀は何もないところだと思っていた。仕事もないだろうし、どうやって生活していくのか不安だったが、引っ越してから環境が良くて便利で住みやすいところだと気付いた」と話す。
移住当初はハラダさんが滋賀をからかうネタをラジオで話すとリスナーからクレームを受けることもあったが、滋賀を題材にしたネタ作りのためにハラダさん自身が住んで、歩いて、見て集めたネタに「滋賀のことをよく知っている」と次第に認めてもらえるようになった。ハラダさんも「住んでから滋賀が好きになった」と話す。しもばやしさんは「滋賀県出身の僕よりハラダのほうが滋賀に詳しくなった」と笑う。
住みます芸人になってから「三成応援隊」「たかしま特命観光係」「野洲市観光大使おいでやす支店長・アルバイト」など延べ14個の観光大使に任命され、8年間、週末はほとんど休みなく県内のイベントに出演し、テレビとラジオのレギュラー番組は6本と活躍している。
滋賀に移住してから1年がたった頃、「大阪と違い、劇場がないので漫才をする機会がない。せっかく僕らが来たので身近にお笑いに触れてほしい」と2012年7月に1回目の単独ライブ「ファミレスライブ」を開催。しもばやしさんは「ライブをする場所がなくて守山市の空きテナントで、エアコンもない場所でライブをした。途中で豪雨が降り、窓を閉めて大変な状態になった」と振り返る。2回目は大津市瀬田のバーで開催し、3回目からは「滋賀で頑張るのなら」と協力してくれた野洲文化ホールで開催している。ハラダさんは「1回目から82カ月毎月新ネタを披露している。全くネタが思い付かないこともあるが、ネタを作ることが生活の張り合いにもなっている。『芸人やっているな』と感じる」と話す。
しもばやしさんは「滋賀に来て、受け入れてもらえて、仕事をさせてもらっていることがありがたい。いい人に恵まれて8年間やってこられた。『住みます芸人』としての第1段階は終わったと思う。今までは与えてもらった仕事をしてきたが、今度は僕たちが皆さんに対してどういったものを提供できるか。僕ら発信でいろいろやっていきたい」と話す。
ハラダさんは「住んだ時から地域おこしをやっていきたいと考えていた。滋賀でお笑い中心のお祭りをしてみたい。飲食ブースを出して、地元のアーティストと一緒にフェスができたら」と話す。
次回の「ファミレスライブ」は5月19日。会場は野洲文化ホール。開催時間は15時~。入場料は前売り=1,500円、当日=1,800円。