女性向け起業講座「もりやま創業セミナー~ジブンの未来をRe・デザインする~」の第1回が10月16日、守山市立図書館(守山市守山)で開催された。
女性の起業をテーマに3人の講師による連続講座で、講師をコーディネートした清原の清原大晶さんは「守山市には子育て世代が増えている。お母さんたちが出産で仕事を離れて、再度社会に出るときにやりたいことができる環境を整えるのが市の役割。地元企業としてどう関わっていくかを考え、現役の女性起業家の話を聞く機会を用意しようと思った」と話す。
第1回の講師はヨガスタジオの経営者で、「CITTA手帳」を開発した青木千草さんが講演。青木さんは「高校生のときから手帳マニアで、売り場でたくさんの手帳を見比べていた。理想の手帳がなく、カフェで4日間かけて1年分の手帳を手描きしていたら、カフェの店長に『手帳を作ったら?』と言われた。その時に作るという考え方があるのかと気づいた」と手帳を作ったきっかけを振り返った。
2013(平成25)年に、5冊だけサンプルを作成。自身のSNSで紹介すると「欲しい」という反響があり、200冊を完売。翌年、「売れる気がする、という根拠のない自信」で1000冊印刷して700冊を売るも、300冊の在庫を抱える。青木さんは「手帳も自分が生み出した子どものようなもの。売る義務があると思い、売るために本気になった。本気になって何をしたかと言うと、毎日ブログを更新した」といい、200ページビューだったブログが4カ月後には10倍に。
「翌年の手帳の印刷代の見積もりが届いて、支払うお金がないことに気が付いた。ブログで予約販売を始め、2週間で印刷代を集めることができた。今でいうクラウドファンディングのようなことを昔にしていた。皆さんにも、お金がないから諦めるのではなく、なければどうやって集めるか考えてほしい」と呼び掛けた。
青木さんの手帳は「夢がかなう」と評判になったが、青木さんは「ヨガで学んだ『思考と言葉と行為が同じであること』というマインドを手帳に落とし込んだ。思ったこと、願ったことを必ず手帳に書いて実行する。明日の自分、来週の自分を手帳に書くことで願いが叶う。手帳に書いて時間をコントロールして、毎日忙しい女性に自分の時間を取り戻してほしい」と話した。
起業を考えている女性に対して「起業して成功するためには、周りに応援されることが一番大事。人に愛されるには自分を愛していないといけない。思いついたアイデアを『でも、だって、どうせできない』と自分で地中深く埋めるのではなく、あなたの『したいこと』に水をあげて育ててほしい。大人が楽しまないと、子どもも夢を見ることができない」と話した。
手帳には「ワクワクリスト」のページがあり、青木さん自身は「そろそろテレビに出演できるのではないかと妄想をしている。『7ルール』に出演することを妄想して、勝手に『青木千草7ルール』を作った。やりたいことは友人に話した方がいい。そうすれば助けてくれる人、情報をくれる人がいる」と話す。
講演の後はワークショップを実施。「ワクワクリスト」に書いた内容を人に話す練習をした後、手帳に書くことで普段の時間の使い方を振り返り、明日何時に起きたいかを記入。青木さんは「朝起きる時間は一日の最初の決断。決めた時間に起きられると自己肯定感が上がる。自分の余暇をなにに使うかで人生の質が決まる。お母さんたちに自分時間を取り戻して、やりたいことをやってほしい」とエールを送った。
11月14日は元新橋のナンバー1芸者で随筆家の千代里さん、29日は1日100食限定のステーキ店「佰食屋(ひゃくしょくや)」オーナーの中村朱美さんが講演する。参加無料。託児は3日前に予約が必要。