複合商業施設「ブランチ大津京」が11月29日、大津びわこ競輪場跡地(大津市二本松)にオープンする。
約1万5000平方メートルの近江神宮外苑公園 サッカーなどができるスポーツエリアと遊具やベンチのあるコミュニティエリアがある
大津市が競輪場跡地の活用方法について2017(平成29)年2月、応募型プロポーザル方式により提案を募集。大和リース(大阪市中央区)が提案した「公園の中の商業施設」が事業コンセプトの同施設が選定された。「地域コミュニティーの形成」「生涯スポーツの推進と健康支援」「未来を担う子どもの教育支援」「新規ビジネスと女性雇用の創出」をテーマに、スーパーマーケットやドラッグストアなどの日用品販売店、アウトドア用品店、家具店、パン店、レストランのほか、ボルダリング施設やバスケットボールコート付きのレストラン、地域交流スペース、託児機能付きオフィス、歯科、眼科などを展開する。
約6万5000平方メートルの敷地内に約1万5000平方メートルの公園「近江神宮外苑公園」があり、9棟の建物に29店舗がオープンする。来春には42店舗まで増える予定。
「女性雇用の創出」のためにオフィスにキッズスペースを隣接した「ママスクエア」を誘致。子育て中の女性が子連れで出社し、子どもをキッズスタッフに預けて仕事をする。主な業務はアウトソーシングの電話受付やデータ入力など。ママスクエアの沖津啓子さんは「子育て中で外に出たくても出ることのできない女性が働くことで自分の場所を作ることが目的。仕事を始める前に研修するので、子育てでブランクのある女性にも働いてもらえる。子どもが大きくなったら正社員になるためのステップとしても活用してもらえれば」と話す。
「新規ビジネスの創出」「地域コミュニティーの形成」のため、チャレンジショップ「musLab」では飲食店の出店をしてみたい人を募り、短期出店の場を提供。「ハッシュタグ大津京」ではシェアオフィスやシェアスペースを設けた。施設を運営する「まちづくりスポット大津」のスタッフ、北井香さんは「場所の提供だけでなく、一緒に企画を考えたり、人と人をつないだり支援する。何かしたいという人が一歩踏み出す場所になれば」と話す。
「コミュニティーパーク」では施設内でのヨガやボルダリングのほか、隣接する公園でのウオーキングやパークヨガ、琵琶湖でのSUPなども体験できる。スタッフの遠藤正貴さんは「ちょっと運動したい人やジムでは飽きてしまう人も、ヨガやアウトドアスポーツを楽しみながら健康的になってもらえれば」と話す。
近江神宮外苑公園には健康遊具や幼児向け遊具を設置。「かまどベンチ」やマンホールトイレなど災害時に利用できる設備を整備し、地域の防災拠点にもなる。
スマートロックとキャッシュレス決済で無人書店として運営するセルフブックスが県内初出店。新刊書と古書約1000冊を並べ、会員となった客は自分でレジを操作する。店主の平田幸一さんは「本屋としてのアイデンティティーを守るために無人販売を始めた。お客さんも書店員の気持ちになって一緒に楽しんでもらえれば。新たな試みとして子どもが屋台に本を並べて売る体験も予定する。この店が気に入って、『また来たい』と思ってもらえれば悪いことをする人もいないのでは。性善説に立って運営していく」と話す。
関西最大規模の「モンベル」や、日本初の屋内・屋外バスケットコート併設のレストラン「SG‐Park」なども出店する。
営業時間は7時~23時(店舗により異なる)。29日は音楽イベントやナイトフードマルシェなどを予定。