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守山の美術館で「歌川広重展」 「山下清の東海道五十三次」展と同時開催へ

《東海道五拾三次之内 日本橋 朝之景》 1833年ごろ 歌川広重作

《東海道五拾三次之内 日本橋 朝之景》 1833年ごろ 歌川広重作

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 「歌川広重展~東海道五拾三次と雪月花 叙情の世界~」が7月4日から、佐川美術館(守山市水保町)で開催される。

《名所江戸百景 水道橋駿河台》 1857年 歌川広重作

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 歌川広重の浮世絵風景画「東海道五拾三次」(保永堂版)のほか、花鳥画、戯画、肉筆画などの作品を展示し、広重の浮世絵ワールドを紹介する。「東海道五拾三次」は、東海道筋の自然と旅の風物が叙情的に描かれ、参勤交代の大名行列や宿場町のにぎわいなど当時の世相が読み取れる風景画として現在も高い評価を受けている。同館学芸員の藤井康憲さんは「郷愁と叙情の広重ワールドを、四季の雪月花になぞらえて紹介する。広重の風景画は、人々の暮らし、移りゆく四季折々の自然や風物を詩情豊かに表現している。そこには自然の風景、橋や茶屋などの建造物だけでなく、大名行列や行商・旅人といった人々の営みも描かれており、日本各地を巡る旅の楽しさが見る者に伝わる」と話す。

 広重晩年の作品で江戸末期の風景を描いた「名所江戸百景」や琵琶湖の湖南地域の「瀬田の夕照」などを描いた「近江八景」などのシリーズも展示する。藤井さんは「近江八景を鑑賞して、現代では感じることのできない風光明媚(めいび)な江戸時代における滋賀の景勝地を感じていただければ」と呼び掛ける。

 「山下清の東海道五十三次」も同時開催する。藤井さんは「広重の代表作となっている『東海道五拾三次』を展示するに当たり、山下清の『東海道五十三次』を展示することで、2人の巨匠が描いた東海道をお楽しみいただきたい」と話す。貼り絵作品が次第に国内で高い評価を受けるようになった山下清が、「いつまでも世に残る大作にしたい」と東京から京都まで約5年間旅を続け、東海道各地の思い出や感想を語りながら描き上げた。同展では、旅への思いが込められた遺作「東海道五十三次」の全場面を紹介し、人情味あふれる作品の魅力に迫る。

 藤井さんは「山下清のフィルターを通して描かれた純粋で温かな風景は、どこか懐かしい日本の原風景を思い起こさせる。『東海道五十三次』全55点と、作品に添えられた素朴で飾り気のない山下清のコメントを彼独特の世界観と共にお楽しみいただきたい」と話す。

 新型コロナウイルス感染拡大防止対策を取って開催する。開館時間は9時30分~17時。月曜休館(8月10日は開館)。営業時間および休館日が変更になる場合があり、来館前にホームページまたは電話での確認を勧めている。入館料は大人=1,000円、大学生・高校生=600円、中学生以下無料。8月30日まで。

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