琵琶湖博物館(草津市下物町)が6月2日に再開し、「カブトミジンコ1000匹分」のソーシャルディスタンスを呼び掛けている。
「ふなずし100切れ分」のソーシャルディスタンスをお願いする貼り紙
同館は淡水生物や、琵琶湖の自然や生活などについて展示している。新型コロナウイルスの影響で2月28日から休館していた。学芸員の金尾滋史さんは「再開するに当たって、館の特徴である五感で感じる展示ができない場所もあり、どのように工夫して来館者に楽しんでいただけるかスタッフで考えた」と振り返る。
アメリカの水族館が「ピラルク1匹分のソーシャルディスタンスを取りましょう」という貼り紙をしていることを知り、「ビワコオオナマズ2匹分」のソーシャルディスタンスをお願いするパネルを館内に掲示した。「琵琶湖博物館らしさを出したい」と、「カブトミジンコ1000匹分」「イタチムシ2万匹分」など琵琶湖に生息する微生物で2メートルのソーシャルディスタンスを表現。金尾さんは「カブトミジンコの絵を描き、1000匹分並べた。ただ距離を取ってくださいというだけでなく、見た人が笑って楽しんでもらえればうれしい。『小さすぎて分からない』という突っ込みもお待ちしている」と話す。
館内には魚と人との関わりを示すために「川魚屋」の展示も。川魚屋ではふなずしも展示している。金尾さんは「いろいろ考えていると面白くなって、『ふなずし100切れ分』のパネルも作ってしまった。今後も、カヤネズミ何匹分やバイカルアザラシ何頭分など作る予定。ソーシャルディスタンス以外にも、『ガラスに触れないでください』という貼り紙ではなく、ガラス面の前にヨシハラのバリケードを置くなど、堅苦しくならないように工夫をしている」と話す。
同館は2016(平成28)年からリニューアル工事中で、7月に完了する予定だったが、新型コロナウイルスの影響で秋以降に延期に。現在はA展示室、B展示室は閉鎖中で、C展示室と水族展示室の一部のみ開館している。ディスカバリールーム、おとなのディスカバリーは平日のみ開館。入場者数を400人に限定し、超えた場合は入場制限をしている。
開館時間は10時~16時30分に短縮している。入館料はリニューアル工事中、大人=500円、大学生・高校生=300円、中学生以下無料。