場所を告知せずに花火を打ち上げる「非密の花火大会inびわ湖一周」が8月1日から、滋賀県の琵琶湖岸で開催される。
発起人代表の馬場さん、大久保貴彦根市長、山田静男副市長と「ひこにゃん」
司法書士法人equalの馬場真作さんら県内の有志6人が始めたプロジェクト。馬場さんは「5月5日に近江八幡市で花火師さんが『子どもたちに見てほしい』と自費で花火を打ち上げたことを知り、自分たちも何かしたいと思った」ときっかけを話す。
7月7日に彦根で火薬類取締法の無許可消費数量内である5分間、75発の花火を打ち上げた。5月中旬から準備を始め、打ち合わせを重ねた。馬場さんは「何よりうれしかったのは、僕らの思いに賛同してくれて、どんどん仲間が集まったこと。映像クリエーターや、フォトグラファーなど、忙しい中、遠方からも駆け付けて、無償で協力してくれた」と振り返る。「空からの花火を皆に届けたい」との思いでドローンの撮影を計画した。馬場さんは「当日は雨やネット回線のトラブルがあり、予定より20分遅れての打ち上げとなった。雨でドローンでの撮影もできるか分からなかったが、雨が上がった瞬間に花火を打ち上げ、ドローン撮影もできた」と話す。
ほかの地域の人たちにも花火を見てもらいたいと、クラウドファンディングで資金を募り、毎週土曜に湖北エリア・湖東エリア・湖西エリア・湖南エリア(東側)・湖南エリア(南側)で花火を打ち上げるプロジェクトを立ち上げた。馬場さんは「花火師さんを少しでも助けたい。花火大会が無くなって寂しい思いをしている子どもに見てほしい。困難な状況にある皆に少しでも明るい気持ちになってほしいとの思いで始めたプロジェクトだが、クラウドファンディングを通して皆で作ることによって、たくさんの意味合いができて、色鮮やかな花火になると思う」と話す。
「医療従事者の皆さん、卒業式や入学式がなかった子どもたち、最後の大会がなくなってしまった中高生、急な不景気で苦労している就活生、自粛要請で経営が大変な飲食店の方々など、エールを送りたい人は、数え切れないほどいる。皆頑張っているし、何より花火は皆のもの。75発、一発一発に、思いを込めて打ち上げる。派手さはなく小さくてささやかだが、心に残る花火になればうれしい。密を避けるために打ち上げの様子を配信予定。非密の花火大会、ご自宅で鑑賞いただければ」と呼び掛ける。
「非密の花火大会」は8月の毎週土曜、琵琶湖岸のどこかで打ち上げられる予定。