草津の主婦が「モーニングバランスボール」を始めて3カ月がたった。
女性専用フィットネスクラブのインストラクターをしていた江藤沙織さんは、結婚を機に草津に移住し、3児を出産した。江藤さんは「子育て中に女性が自分のことを我慢して後回しにしてしまい、将来の体に影響することが多いことと、子育て中も自分自身の名前で呼び合える場所があることが心の健康に大切だということを、インストラクターをしている時に強く感じていた。しかし、実際の育児は想像以上に大変で、なかなか運動することができなかった。そんな時にバランスボールに出合った。バランスボールなら、子どもがいても家ですることができて、運動器具で子どもが指を挟む心配もないと思い、息子を連れてママの居場所づくりをスタートさせた」と振り返る。
新型コロナウイルスの影響で3月から学校や保育園が休校になった。江藤さんは南草津防災委員会の代表も務め、多くの子育て中の主婦から「生活リズムが乱れた」「運動不足になった」「気持ちがふさいでしまう」などのたくさんのSOSを聞いた。江藤さんは「私にできることは何か考え、悩み迷いながらでもいいから、動かないといけないと感じ、オンラインレッスンを始めることにした」と話す。
5月1日から平日の朝6時にオンラインバランスボールレッスンをスタート。参加者はビデオ会議アプリ「Zoom」で参加する。江藤さんは「朝から運動をすることで自律神経を整え、一日の運動量や代謝が上がる。乱れてしまった生活リズムを整えて、今までより健康な暮らしに変えるチャンスだと思った。オンラインだからこそ、自宅から配信ができて、私も続けることができた。朝から人の顔を見て運動できるので、自粛中も孤独感が薄まった」と話す。
レッスン中に江藤さんの子どもが起床し、一緒に運動することもある。江藤さんは「参加者のお子さんが画面に登場することも多い。子どもの身支度を見守りながらなど、個人のペースで参加してもらえている。神戸や東京など遠方の人も参加してくれて、オンラインならではの良さを感じている」と話す。学校が再開した後もオンラインレッスンを続け、毎朝20~30人が参加している。「『朝の生活習慣が身に付いた』『気持ちが前向きになった』という声を聞くとうれしい」と喜ぶ。
レッスンでは江藤さんが参加者の名前を呼び掛けている。江藤さんは「新型コロナの影響で、人と物理的な距離を取らないといけないと思うあまり、心理的な距離まで離れてしまうことがある。今は、より意識して『心は離さない』工夫をしないといけないと感じている。オンラインで朝から声を掛け合い、『すぐ隣に安心できる人間関係がある』と無意識に感じられる場所でありたい」と話す。
土曜・日曜は録画動画を配信。参加費は、1カ月通い放題=5,000円。入会金=2,000円。