Bリーグ1部の滋賀レイクスターズは11月14日・15日にウカルちゃんアリーナ(大津市におの浜)で開催された2020-21シーズン第9節で京都ハンナリーズと対戦し、1勝1敗だった。
14日は村上駿斗選手と狩俣昌也選手が連続で得点を決め、滋賀が大きくリードするも、1クオーター(Q)残り2分、スターターからベンチメンバーに変わると滋賀が失速する。2Qはゾーンディフェンスに切り替えた京都に対して滋賀が対応できず、シュート確率が大幅に下がり、京都に逆転を許す。3Qは互角の戦いをするも、4Qでまた失速。74-84で滋賀が敗北した。
15日は、1Q残り5分31秒に前田怜緒選手、4分3秒にジョナサン・オクテウス選手と今川友哲選手が入るとリズムが良くなり、前田選手のディフェンスリバウンドから速攻、今川選手がジャンプショットを決めるなど途中出場の選手が活躍し、1Qは21-15とリードして終える。
2Qは開始6分で晴山ケビン選手と狩俣選手の3ポイント(P)シュートの6点のみで、京都に得点を重ねられ点差を詰められるが、残り3分43秒に滋賀がタイムアウトを取ると立て直し、狩俣選手のシュート、村上選手のスチールからの速攻で得点する。残り2分31秒にはオクテウス選手がシュートを外すも、自らリバウンドを取り、ジョーダン・ハミルトン選手にパス。ハミルトン選手が3Pシュートを決めて前半を34-30で折り返す。
3Q、滋賀がシュートを連続で落とし、流れが悪くなりかけたところに晴山選手がスペースに走り込んで3Pシュートを連続で決める。この日、3Pシュート6本を決め18得点の晴山選は、ショーン・デニスヘッドコーチの「リクルートの時から話していたが、コーナーで待ってシュートを打つだけでなく、自分でオープンになってシュートを打つことを求めていた」という期待に応えた。その後、京都に連続で得点を決められるが、苦しい時間帯に狩俣選手が得点を決める。残り53秒には前田選手がドライブで切り込み、後ろから来た京都の石谷聡選手のファウルを受けながら、204センチのデイビッド・サイモン選手を超えてレイアップを決め、バスケットカウントをもらい会場を沸かせる。京都に点差は詰められたものの、56-55とリードを守って最終ピリオドへ。
4Q開始19秒、狩俣選手のディフェンスリバウンドからハミルトン選手の針に糸を通すようなパスを受け、前田選手が難しいバックシュートを決める。滋賀が得点すると京都も得点し、最後まで勝敗が分からない白熱した試合になる。79-77で迎えた試合時間残り34.8秒、狩俣選手がシュートを外すも、オクテウス選手が3ポイントラインから飛び込みリバウンド。京都の選手に当てて外に出し、滋賀ボールに。残り20.8秒、ハミルトン選手が外したシュートを晴山選手がリバウンドを競り合い、こぼれたボールをオクテウス選手が拾ってシュートを決め、81-77。残り8.5秒、京都のサイモン選手に得点を決められ81-79。残り6.2秒、ハミルトン選手がファウルをもらいフリースロー。1本目を決めて3点差に。2本目を落とし、京都にリバウンドを取られるが、ハミルトン選手とオクテウス選手がディフェンスに走り、レイヴォンテ・ライス選手が打った3Pシュートをハミルトン選手がブロック。はじいたボールにオクテウス選手が飛び込み、試合終了。外国籍選手が最後までルーズボールを追い、勝利への執念を見せた滋賀が82-79で雪辱を果たした。
ベンチメンバーが入って失速した14日とリズムが良くなった15日の違いについてデニスヘッドコーチは「ベンチメンバーのプライドの持ち方。気持ちの部分」だと振り返った。試合前のミーティングで「なぜバスケットをしているのか、うまくいかないとき、シュートが入らないとき、ミスしてしまったとき、バスケットに対する愛と情熱を失いかけている。ミスではなく、どう学んで、もう一度立ち上がるのかが重要。今日の試合ではしっかりできたのが大きかった」と話す。
晴山選手は「14日、出だしが良かったが2Qに追い付かれて奥手になってしまった。今日は京都に追い付かれて自分たちのテンションが下がったとき、自分たちで上げようと声を掛けて、皆がやってくれてうれしかった」と振り返った。
シュートタッチについては「今シーズンはいい。チームのバスケットボールのスタイルに自分が合っていると感じている。一人で持って行って3Pを決める力はないので、皆が作ってくれたオフェンスだと思う。スクリーンをかけてくれたマサさん(狩俣選手)やアンガス(ブラント選手)、パスしてくれた人のおかげでシュートを打てている。感謝してもしきれない」と話した。
Bjリーグ時代から続く滋賀と京都の「滋京ダービー」は71戦で、33勝38敗。京都の小川伸也ヘッドコーチは2008(平成20)年に滋賀に加入し、2015(平成27)年の引退後も滋賀でアドバイザリーコーチ、アシスタントコーチを務めていたことから、デニスヘッドコーチとの「師弟対決」としても注目された。デニスヘッドコーチは「1勝1敗で終えられてよかった。2敗だと立場がない。小川ヘッドコーチはアシスタントからヘッドコーチになって、学ぶことがある大変なシーズン。彼自身で対応しながら、試合中にディフェンスを変えるなど成長を感じる。ヘッドコーチは全ての責任がくるので、頑張っていると思う」と教え子にエールを送った。