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守山の児童養護施設が建て替えのためのクラウドファンディング 「子どもに家を」

支援を呼び掛ける守山学園の施設長、谷村太さん

支援を呼び掛ける守山学園の施設長、谷村太さん

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 児童養護施設「守山学園」(守山市笠原町)が施設の老朽化などから現在、建て替え計画進めている。不足資金を調達するため11月16日にクラウドファンディングを始めたところ、開始2週間で200万円を超す寄付が集まった。

足場が朽ちて立ち入り禁止となったベランダ

 同園は1959(昭和34)年に開園。1990(平成2)年に現在の場所に移転した。建物は補修を繰り返したが、30年がたち、足場が朽ちて立ち入ることができないベランダや、閉まらない扉、穴の開いた壁など、老朽化が目立つ。耐震工事もできていない。2018(平成30)年に施設長になった谷村太さんは「来た次の日に床が抜けたと聞いて、このままではいけない、改築しないと危ないと思った」と振り返る。現在は地域小規模児童養護施設2カ所と守山学園で定員の30人が入所している。

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 建て替え後は一時保護所とショートステイのための施設を新設する予定。谷村さんは「小さな子どもは里親に引き取られることが多く、児童養護施設に来るのは中高生が増えた。子ども家庭相談センターの一時保護所にいる子どもは学校に通うことができない。最長で半年通えない子もいる。児童養護施設の一時保護所なら学校に通うことができる。ショートステイは一時的に預かるので期限が決まっている。児童養護施設にいる子どもたちの気持ちを考えると、同じ建物の中ではなく別の場所にしたほうがいい」と話す。「高校を卒業して就職する子どもが大半を占めているので、きちんと生活ができるようになってから送り出してあげたい」とキッチンやユニットバス付の部屋も新設する予定。

 谷村さんは「今は虐待が原因で入所する子どもが多い。国は6割というが、実感としてもっと多い。滋賀県は人口比に対して児童養護施設が少なく、児童養護施設に来る子どもは深刻なケースも。心が安定していなくて、大人を信用していない子も多い。子どもに罪はないので、安心できる家を作りたい」と建て替え計画を立てた。

 県と市からの補助金を4億円と見込み、借入金などを含めて6億円で建て替えの計画をしていたが、補助金が1億6,000万円になることが決まる。2階建ての予定を平屋建てにして部屋数を減らしたが、それでも足りない状態になった。谷村さんは「部屋数を減らすと受け入れられる子どもの人数も限られてしまうのでこれ以上減らしたくなかった」と、不足金1億円を募るため、児童養護施設出身で守山市市議会議員の森重重則さんのアドバイスでクラウドファンディングサイト「キャンプファイヤー」に特設ページを開設した。

 事務員の重松里美さんは「クラウドファンディングを始めてから多くの反響があった。直接寄付を持ってきてくださる方や、『何かできますか?』という方、ツイッターで拡散してくださる芸能人の方もいて、皆さんの温かい反響に感謝している」と話す。

 谷村さんは「今の狭くて暗いお風呂は子どもにとっては怖く、洗面所も合宿所のようで家庭的ではない。子どもが帰ってきたときにリビングで顔を合わせられるような構造にして子どもたちが家庭的な環境で成長できる場所にしたい。まずは現状を知っていただきたい」と呼び掛ける。

 クラウドファンディングの期間は2021年2月3日まで。