環境配慮型のテークアウト専門カフェ「CAFE REED」が12月15日、草津市下物町の烏丸半島にオープンした。
ネット販売などを手掛ける「クラスタ」社長の丸本篤さんが「営利目的ではなく、社会貢献をしたい」と考え、「脱プラスチック」のカフェとして営業。丸本さんが社会貢献を意識し始めたのは2013(平成25)年。「長年営利目的の事業をしていて、成功も失敗も経験した。ちょうどその頃がどん底だった。どん底の中、もう一度復活できたら、今度は社会的意義のあることをしたいと強く思った」と振り返る。
2017(平成29)年に烏丸半島に本社機能を移転。2020年4月に烏丸半島のカフェが閉店したことをきっかけに、「会社の目の前にあるカフェで社会貢献をしたい」と「CAFE REED」の出店を決めた。「脱プラスチック」を実現し、ドリンクカップ、カップのフタ、ストローは紙製で、マドラーとスプーンは木製のものを使用。丸本さんは「紙製のフタは作るのが難しく、需要も少ないのでプラスチック製の5~10倍のコストがかかる。資材に原価がかかるが、そこを盛り込んで計算したら完全脱プラも可能だと判断した」と話す。
「脱プラ」を実現するのに苦労したのは、サンドイッチの野菜やソースが紙の袋から染み出すこと。「野菜の水分を出さない料理法に変えて対応した」と話す。「本当は、『脱プラ』と声高に言わなくても、一般的なことになるのが理想。このカフェから脱プラが広まってほしい」とも。
コーヒー、アッサムティーなどのドリンクのほか、照り焼きチキン、豚しょうが、ゆずこしょう入り卵焼きなどのサンドイッチ、スープと、「トゥンカロン」を提供する。「トゥンカロン」は韓国発祥のスイーツで、マカロンにクリームをたっぷり挟み、かわいくデコレーションしたもの。スイーツを担当する山田美咲さんは「カフェを出店することになり、かわいいスイーツを作りたいとトゥンカロンを提案した。デコレーションは毎月新しいものにしたい。考えるのも、作るもの楽しい」と話す。SNSを見てトゥンカロンを買い求める女性が多いという。
サンドイッチの野菜はなるべく地元産のものを使用。丸本さんは「可能ならカフェのある草津市常盤学区の中で食材を集めたい。脱プラに賛同して買うのではなく、ちゃんと商売として売れるものを提供したい。味や見た目で買いたいと思うものを作る」と意気込みを見せる。
店名の「REED」は植物のヨシを意味する。丸本さんは「琵琶湖に関係のある名前にしたかった。ヨシは琵琶湖の浄化にも役立っていて、毎年刈り取っても根をしっかり張っている。一本一本は弱いが、集まればものすごい力を秘めている。そんなヨシのようになりたいとの思いを込めた」と話す。「今は紙ストローだが、いずれはヨシのストローを使いたい」とも。
自転車で琵琶湖を一周する「ビワイチ」のコースにもなっていることから、「自転車に乗る人のために栄養があって、すぐに食べられるメニューも開発していきたい。草津市や大学、琵琶湖博物館、水生植物公園みずの森と連携して烏丸半島を盛り上げたい。フードロスへのアプローチもしたい」と今後の展開を話す。
営業時間は11時~16時。月曜定休。12月27日~1月4日は休み。