Bリーグ1部の滋賀レイクスターズは12月26日・27日にYMITアリーナ(草津市野村)で開催された2020-21シーズン第15節でレバンガ北海道に2連勝した。
ゲームをコントロールし、大事な場面で仲間を信じパスを出したジョーダン・ハミルトン選手
26日は試合開始から滋賀のターンオーバーが目立ち、北海道にリードを許すも、ジョーダン・ハミルトン選手のバスケットカウントなどで点差を詰め、1クオーター(Q)は14-16。2Q、村上駿斗選手の得点で同点に追い付くと、滋賀は狩俣昌也選手、村上選手が3ポイント(P)シュートを効率よく決め、少しずつ点差を広げる。2Q残り1分53秒、12月2日の広島ドラゴンフライズ戦で5本の3Pを決めて以降、調子を落としていた晴山ケビンが3Pシュートを決める。
38-31の7点リードで迎えた後半。晴山選手が3Pを2本決め、44-33とリードを広げるも、北海道のジョーダン・テイラー選手を中心にボールを回され、3Q残り50秒で逆転される。4Q、伊藤大司選手のシュートで60-59と滋賀が逆転する。北海道に2度追い付かれるも、伊藤選手、狩俣選手の3Pでリードを保つ。狩俣選手はこの日、3P5本を含む19得点でキャリアハイを更新した。残り6分23秒、ブラント選手がオフェンスリバウンドからゴール下のシュートを決め、さらにファウルを誘いバスケットカウントで72-68の4点リード。残り4分50秒、北海道の中野司選手に3Pを決められ72-73と逆転される。82-78で迎えた残り35秒、北海道のテイラー選手にスチールされ北海道の速攻を許すが、狩俣選手がディフェンスに戻り、ボールを奪い返す。ファウルゲームとなった終盤はハミルトン選手がフリースロー2本目を外すも、自らリバウンドを取り、シュート。外れるもさらにリバウンドを拾い、シュートを決めて88-81で滋賀が勝利した。
27日、前田怜緒選手のバスケットカウントで幕開けした1Qは滋賀がリズムよく得点を重ね、23-12と11点リードする。2Q開始早々、連続でオフェンスリバウンドを拾うもリングに嫌われシュートが入らない中、狩俣選手が「スコアが止まっていたので、しっかり決めようと気持ちを強く持って打った」と3Pを2本決める。しかし、滋賀のファウルが続き、北海道に次々とフリースローを与えてしまう。2Qの滋賀のファウルは11。ハミルトン選手、前田選手が3ファウルとなり、終盤の戦いに影響を与える結果に。苦しい時間帯、ハミルトン選手と晴山選手の3Pで何とかリードを保ち、40-34で前半を折り返す。
3Q開始から晴山選手と狩俣選手の3Pで点差を広げるが、北海道のディフェンスに苦しみ、24秒バイオレーションを取られるなど攻めあぐむ。徐々に点差を詰められ、残り3分20秒、北海道に追い付かれる。滋賀が3Pを決めると北海道も3Pを決める打ち合いとなり、62-60で最終Qへ。
滋賀はガードポジションの外国籍選手ジョナサン・オクテウス選手の出場時は、日本人パワーフォワードの今川友哲選手もしくは頓宮裕人選手が出場していた。今川選手が12日の宇都宮ブレックス戦で負傷し、脳振とうの診断を受けて出場できないことから、頓宮選手の出場時間が増えていた。頓宮選手はリバウンドで外国籍選手と張り合い、テイラー選手のシュートをブロックするなど活躍していたが、4Q開始早々、頓宮選手が5ファウルでファウルアウトになる。交代でスモールフォワードの晴山選手がパワーフォワードとして出場。4Q残り9分19秒、北海道の多嶋朝飛選手に3Pシュートポジションでのファウルを与え、多嶋選手が3本とも決めて62-63と逆転される。村上選手の速攻で滋賀が逆転するも、北海道に再逆転される。ハミルトン選手の3Pで70-70の同点に追い付くと、ハミルトン選手のディフェンスリバウンドから村上選手がゴール下に飛び込みシュートを決めて72-70。両チームとも5ファウルでお互いにフリースローを与え合い、試合時間残り30秒で77-77の同点になる。ハミルトン選手がゴール下に切り込むと、村上選手にディフェンスしていた北海道のテイラー選手がヘルプディフェンスに行き、村上選手がフリーに。ハミルトン選手は激しいディフェンスを受けながらも、コーナーで待つ村上選手にパスをする。残り時間7.6秒、村上選手が3Pシュートを沈め、80-77。滋賀が勝利を手に入れた。
滋賀のショーン・デニスヘッドコーチは「試合に勝ったが、アップダウンの激しい試合だった。自分たちのターンオーバー12本が相手の23得点につながっているのが大きな課題。今後修正をしていかないといけない」と振り返った。
最後の攻撃については「チームで『トラスト』、信頼しながらプレーするということをテーマに掲げている中、ハミルトン選手が最後の大事な場面で村上選手をトラストしてパスして、それにしっかりと応えたプレーが今日の試合に大きく響いた」と話した。村上選手については「最後のシュートだけでなく、一番大きかったのは、4Qの彼のテイラー選手に対するディフェンス。4Qに与えた得点はフリースローの2点だけなので、それ以外のところをしっかりと抑えたところが本当に大きな仕事をした。それが今日の勝利につながったと思う」と評価した。
村上選手は「最後の3分くらいから、ハミルトン選手がアタックで攻めたところに対して、周りの選手がアジャストして動くとチームとして話していた。僕自身もパスが来たら打ち切ろうと考えていた。最後の場面は、ハミルトン選手がゴール下までアタックしたので、そのままシュートを打つのかと思って『打て』と言ったが、そこでパスが来て、ショットクロックも短く、オープンになったので打ち切ろうと思った。打った瞬間タッチが良くて、入ったと思ったので気持ちよかった。なかなか3Pを思い切り打つことができなかった中で、昨日と今日は思い切って打つことができたので、練習の成果が出たと思った」と振り返った。
滋賀は昨シーズンから北海道に負けなしの8連勝。滋賀は10勝15敗で西地区6位。