2月7日のNHK大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」の最終回を前に、明智光秀の菩提寺である西教寺(大津市坂本)にある「麒麟」が注目を集めている。
西教寺は聖徳太子が恩師である高麗の僧慧慈、慧聡のために創建されたと伝えられている天台真盛宗総本山。織田信長による比叡山焼き打ちで焼失した後、明智光秀が復興に力を注いだといわれ、明智光秀の一族や、内室の煕子(ひろこ)の墓がある。西教寺の唐門には麒麟の彫刻があり、明智光秀が主人公の大河ドラマのタイトルが「麒麟がくる」であることから、注目を集めた。
麒麟は中国神話に現れる伝説上の動物で、鹿に似た体で、龍に似た顔、牛の尾と馬の蹄を持ち、背毛は五色で、うろこがあるといわれている。儒教の経典「礼記」(らいき)によれば、王が仁のある政治を行うときに現れる神聖な生き物とされ、泰平の世の象徴。
西教寺の唐門は宗祖大師殿の正面にある1間1戸の四脚門で、虹梁(こうりょう)には麒麟のほかに龍や獅子などの彫刻が施され、登録有形文化財に指定されている。唐門からは琵琶湖を望むことができる。
西教寺では麒麟を見つけて受付に申告すると、西教寺の御朱印のある御朱印帳に特別の金印「解明の証」を押印している。主事補の前阪良樹さんは「西教寺に麒麟がいるからドラマのタイトルが麒麟なのかというお問い合わせがあったが、全く関係がなく偶然だった。それでも、光秀と関わりの深い西教寺に麒麟がいるというのは不思議な縁を感じる」と話す。
西教寺と滋賀院門跡(大津市坂本)で開催されている「びわ湖大津 光秀大博覧会」は3月31日まで延長して開催する。
拝観時間は9時~16時30分。西教寺、禅明坊光秀館の拝観料はそれぞれ500円。