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滋賀レイクスターズ開幕前試合、残り30秒で逆転勝利 HC「スパニッシュ・パッション」で率いる

若いチームをけん引するキャプテンの柏倉哲平選手と林翔太郎選手

若いチームをけん引するキャプテンの柏倉哲平選手と林翔太郎選手

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 Bリーグ1部の滋賀レイクスターズは9月12日に守山市民体育館(守山市三宅町)で開催されたプレシーズンゲームでB2香川ファイブアローズと対戦した。

「スパニッシュ・パッション」で選手を鼓舞するルイス・ギルヘッドコーチ

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 滋賀は、今シーズン就任したルイス・ギルヘッドコーチ(HC)が11日のプレシーズンゲーム・バンビシャス奈良戦から合流。12日の香川戦に初めて指揮を執った。滋賀はベンチ入りした12人中、10人が新加入。12日出場選手の平均年齢が25.3歳と、若いチームでのホーム初試合となった。

 香川は滋賀から移籍した谷口光貴選手、アンガス・ブラント選手、bjリーグ2014-15シーズンに滋賀に所属していたテレンス・ウッドベリー選手が先発。開始早々、谷口選手に得点を許す。1クオーター(Q)の滋賀はパスミスから速攻を決められるなど、リズムをつかめないまま、4分間無得点で香川に連続で11得点される。ピック&ロールから澁田怜音選手がゴール下にアタックし、フリーの選手にパスをするなど得点機会をつくるも、決め切れず、苦しい時間帯が続く。

 1Q終盤から、「高い位置から厳しいディフェンスをしてボールを奪い、速攻から得点する」という今シーズン滋賀の目指すバスケットが徐々に機能し始め、2Qには6日にチームに合流したばかりのオヴィ・ソコ選手がパスカットから速攻、今川友哲選手がディフェンスを交わして得点を決めるなど、滋賀が点差を詰める。2度2点差まで詰め寄るが、直後に香川のブラント選手に得点を決められ、追い付けない。前半を44-49と5点リードされて折り返す。

 3Q、ショットクロック24秒ぎりぎりでノヴァー・ガドソン選手が3ポイントシュートを決める。ゴール下で存在感を見せたショーン・オマラ選手が連続でファウルをもらい、フリースローを決め、2点差まで詰めるが、この日16得点と古巣相手に気を吐いた谷口選手に3ポイントシュートを決められる。

 4Q、今川選手と森山修斗選手でダブルチームをして香川の24秒バイオレーションを誘う場面や、林翔太郎選手が激しいディフェンスでウッドベリー選手のトラベリングを誘う場面など、随所に良いディフェンスを見せ、香川に10分間で8点しか許さない。試合時間残り1分10秒、ガドソン選手のリバウンドからオマラ選手が得点し、71-71の同点に追い付く。観客は新型コロナウイルス対策のため、声を出すことができないが、音楽と拍手で追い上げムードを演出し、会場が一体となる。残り30.2秒、林選手が3ポイントシュートを外すも、森山選手がボールをはじき、野本大智選手がゴールにアタックして、オマラ選手へパス。得点が決まり、73-71と逆転する。ファウルゲームとなった終盤、野本選手とガドソン選手がフリースローをきっちり決め、77-71で滋賀が勝利した。

 初采配となったギルヘッドコーチは「どのようなチームか、チームとしてどうあるべきかを示すことができて良かった。若いが、ポテンシャルがあり、知性も持ち合わせていて、後半にディフェンスでアジャストすることができた。終了間際で逆転するまで我慢してプレーできた」と選手を評価した。

 「誰か1人が活躍するのではなく、チームとして活躍することが重要。それぞれが15分以上プレーできる選手がそろっている。今シーズンが終わったときにより良い選手になることが目標。個人の成長がチームの成長」と今期の展望を示した。

 ベンチでの采配については「スパニッシュ・パッション」と表現した。「試合中でも選手とコミュニケーションを図り、修正するためや、入らなかったとしても、いいシュートだったと称賛するために叫ぶ。自分たちが行くべき道を示すためにコミュニケーションが必要」と話した。

 キャプテンの柏倉哲平選手は「前半は各自がボールを持ちすぎていて、相手が守りやすい状態だった。そうなったときはオフェンスの終わり方を大事にして、より良いシュートセレクションでオープンの人がシュートを打つ。気付いた人がすぐに言って修正したい。後半は意識してボールシェアしたおかげでシューター陣がシュートを打てたのが良かった」と、苦しい時間帯にチームを立て直せたことに自信を見せた。

 スターターとして出場し、12得点、4アシスト、4リバウンドと貢献した野本選手は「去年と全てが変わった。ピック&ロールの守り方など、去年よりチームで守るディフェンスを採用している。僕のやらないといけないディフェンスはまだミスがあるので、アジャストしていきたい」と意気込みを見せた。

 11日の奈良戦で18得点、12日は13得点とチームの得点源となっている林選手は「ビハインドの中、4Qで逆転できたことが、今シーズン大切になってくる。全員でディフェンスをハードにして、しっかり勝ち切れたことが今後に生かされてくると感じた」と振り返った。

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