T&S健康スポーツ研究所(草津市西大路町)が9月2日~11日、オンラインスクールを開催した。
同社は滋賀県内でサッカー、野球などのスクールを開いているが、滋賀県に緊急事態宣言が発令されたことを受け休講し、オンラインスクールに切り替えた。「心と体の成長のきっかけづくりに」と、家の中でできる運動を教える「お家(うち)de運動」と、滋賀県出身のプロサッカー選手や高校球児が出演する「ゲストトーク」を実施し、スクール生延べ300人が参加した。
「お家de運動」では、タオルを使った運動や、家の中でできる運動遊びなどをスクールのコーチがオンラインで指導した。園児から小学生が参加し、体幹運動やタオルを足で扱う運動をした。
「ゲストトーク」には滋賀県出身のプロサッカー選手・乾貴士さんらが出演。乾選手は子どもの「どうしたらサッカーがうまくなるのか」という質問に、「とにかく楽しむこと。楽しみながらサッカーをすること。子どもの頃はサッカー以外にも野球などいろいろなスポーツをして遊んでいた」と答えた。今年10年ぶりにJ1リーグセレッソ大阪に復帰した乾選手は「長くプレーして、子どもたちに夢を与えられるようなプレーをすることと、子どもたちや選手が『セレッソに入団したい』、指導者が『セレッソで指揮を執りたい』と思うようないいチームづくりをすることが目標」と、子どもたちに今後の夢を話した。
乾選手の野洲高校時代の先輩で、関東サッカーリーグ2部の南葛SCでプレーする楠神順平選手は、失敗したときに不機嫌になることへの対処法について、「怒りの感情は悪いことではない。勝ちたい、活躍したいという気持ちから生まれることなので、その感情を受け止めて、良いプレーをするにはどうすればいいのかを考える方向にシフトすることが大切」と子どもたちに話した。
第103回全国高校野球選手権大会に4番打者として出場し、ベスト4進出に貢献した近江高校野球部の新野翔大選手は、T&Sベースボールスクールの出身。「T&Sで野球が楽しいということを教わった。それがあるから、苦労も楽しみながら向き合うことができた」と話した。
J1リーグ川崎フロンターレのチームスタッフの渡辺翼さんも出演した。渡辺さんは川崎でトレーニングの補助や遠征の手配、外国籍選手の受け入れ業務やビザの手続き、通訳などを担当している。渡辺さんは「サッカーに関わる仕事はたくさんある。監督、コーチ、トレーナー、スポンサー、グランドキーパー、運営スタッフなど、多くの人たちの支えがあることを忘れないでいてほしい」と子どもたちに伝えた。
参加者からは「スターとコミュニケーションが取れて夢のようだった」「今までにない考え方を得られた」「前向きに過ごそうと思えた」などの声があった。スタッフの古畑雄一朗さんは「さまざまな制限により、子どもたちのみならず、大人たちもフラストレーションを抱えている中、心と体を発散する機会をつくりたかった。夢や価値観を広げ、将来の選択肢を広げるきっかけになればと、選手と運営スタッフをゲストに招いた。親子で楽しんでもらえてよかった」と話した。