Bリーグ1部の滋賀レイクスターズは10月2日・3日にウカルちゃんアリーナ(大津市におの浜)で開催された2021-22シーズン開幕戦で三遠ネオフェニックスと対戦した。
2日は立ち上がりからミスが目立ち、35-52と大きくリードされて前半を折り返す。後半は打って変わってディフェンスからリズムをつかんだ滋賀のペースに。4クオーター(Q)は30-9と三遠の攻撃を抑え、逆転勝利。2017-18シーズン以来の開幕戦での勝利となった。
3日は試合開始から滋賀の強度の高いディフェンスに三遠が攻めあぐね、24秒のショットクロックぎりぎりにシュートを打つも入らない。一方滋賀は柏倉哲平選手、野本大智選手の3ポイント(P)シュートなどで得点を重ねる。「2日が良くなかったので、すごく悔しくて昨日のままじゃ駄目だと思って今日の試合に臨んだ」という野本選手がスチールやルーズボールに飛び込むハッスルプレーを見せる。「激しいディフェンスからリズムをつくり、ボールをシェアしてフリーの選手がオープンショットを打つ」という滋賀の目指すバスケットが機能する展開。
1Q4分過ぎにキーファー・ラベナ選手がコートに入ると、観客から大きな拍手が送られる。キーファー選手はフィリピン代表キャプテンで、SNSフォロワーが111万人を超え、フィリピンでは「phenom(天才)」と呼ばれている。三遠には弟のサーディ・ラベナ選手が所属しており、「ラベナ兄弟対決」を見ようと2日間で400人以上のフィリピン人が来場した。キーファー選手は非凡な才能を見せ、自ら得点をするだけでなく、ドライブやシュートフェイクで相手ディフェンスを引き寄せ、フリーになった選手にパスするなどゲームをクリエートした。
1Q残り1分、ルイス・ギルヘッドコーチ(HC)と共にB2佐賀バルーナーズから移籍した澁田怜音選手と川真田紘也選手が出場。川真田選手が三遠のジャスティン・ノックス選手のトラベリングを誘う激しいディフェンスをし、澁田選手がB1初得点を決める。「ギルチルドレン」の2人が少ない出場時間ながらも存在感を示した。
51-36とリードして迎えた3Q。開始早々三遠に3Pを3連続で決められ、6点差に迫られる。オヴィ・ソコ選手を中心に得点し、途中出場の小澤智将選手、森山修斗選手がルーズボールに飛び込むなど執念を見せるが、滋賀のターンオーバーから三遠に得点される展開となり、3Qだけで30失点。72-66と6点差で最終Qへ。
4Q、滋賀は得点が決まらず、三遠のサーディ選手に得点を重ねられ、残り7分26秒、74-75と逆転される。お互いの意地と意地がぶつかるシーソーゲームとなり、85-85の同点で延長戦に突入する。延長戦、お互いにファウルからのフリースローでの得点を重ねる中、残り時間2分22秒でサーディ選手にショットクロックぎりぎりで3Pを決められ、89-97。最後まで諦めずにシュートを打つも、96-101で惜敗した。
キーファー選手は「後半、ディフェンスが受け身になってしまった。オーバータイムまで勝つチャンスはあったが、三遠の勝ちたい意欲が強くて、今日の結果になった」と振り返った。兄弟対決については、「楽しい時間を過ごせた。本当は勝ちたかったが、1勝1敗という結果になった。今日は負けたから、弟にご飯をおごらないといけないのかな」と笑顔を見せた。
ギルHCは「2日間、80分のうち、40分はいい試合ができた。しかし、求めているのは、1試合40分間通して良くできること。それが次のゲームの目標。ハーフタイムに今日は昨日と同じ展開で、ただ、チームが真逆。3Qの出方によって変わってくると話した。(連続で3Pを決められ)0-9となり、開始1分でタイムアウトを取ることになった。ここから選手たちには学んで、次のゲームで同じことを起こしてほしくない。『自分たち自身で勝つか、自分たち自身で負けるか』のどちらか。集中力、ハードディフェンス、細かい部分に注意しているかなど、後半に欠けていた。このゲームは、自分たちで負けた」と話した。