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滋賀レイクスターズ上原仁会長「勝ちにこだわり、地域を愛する日本一のクラブに」

滋賀レイクスターズの上原仁会長(写真提供:滋賀)

滋賀レイクスターズの上原仁会長(写真提供:滋賀)

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 マイネット(東京都港区)社長の上原仁さんが9月30日、滋賀レイクスターズ(大津市におの浜)の会長に就任した。10月25日、びわ湖大津経済新聞インタビューに応じ、クラブを率いる覚悟を語った。

マイネット経営参入発表会見の様子(写真提供:滋賀レイクスターズ)

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 上原さんは守山市出身で、膳所高校、神戸大学を卒業後、NTTに入社し、インターネット事業開発に従事した。2006(平成18)年にマイネット・ジャパン(現マイネット)を創業。現在はゲームサービス事業とスポーツDX事業を手掛けている。

 マイネットは2019年からスポーツビジネスに参入し、2020年からFC琉球(沖縄市)のクラブ運営DX事業を担っている。上原さんは「ゲーム事業が成熟期に入り、次なる成長の機会としてスポーツビジネスに参入した。マイネットの人々のつながりを豊かにするというコンセプトに合致して、市場としての成長性が高いことと、自分たちが情熱を燃やせるところがスポーツビジネスだった」と振り返る。

 2020年に経営体制が変わった滋賀レイクスターズにとっても、滋賀県出身でスポーツビジネスに本気で関わり、投資意欲のあるマイネットがパートナーとして最適だと2021年年始ごろに上原さんにアプローチをした。釜渕俊彦社長や経営陣と話し合いを重ね、目指す方向や理念の擦り合わせをして6月中旬に上原さんが経営参入を決めた。上原さんは「参入を決めてからが意外と大変だったが、釜渕社長と後藤敬一前会長がリーダーシップを取ってまとめてくれたおかげで、資本参加が可能になった」と感謝する。

 現在は守山市の実家に住み、滋賀レイクスターズのフロント業務のデジタル化を推進している。上原さんは「6月の時点ではここまで滋賀に身を置く予定ではなかったが、トップからデジタル化の重要性を伝えることが必要だと感じたことと、『2030年にトップクラブになる』というパッションを伝えるためと、さらにプライベートで母の介助をする兄たちを助けるために、デジタル的にもパッション的にも家族的にも滋賀にいなければいけない理由があった」と話す。

 「トップクラブになると決めても、一人でも『行けるかな』と思う人がいたらできない。『勝ちにこだわる、日本一になる』と言い続けるのは、組織のトップでなければならない。日本一になるためのプロセスとして新B1には必ず行く。売り上げを3倍にして、観客動員を4000人にして、アリーナは、どんなすべを使っても、あらゆる人に応援してもらって『絶対に実現する』というパッションとリーダーシップで、人を巻き込みながら実現する」と意気込む。

 アリーナ建設については「理に適う事業プランと、作ることの意義をうたいあげて賛同してくれる人を募って、経済合理性を証明するためのプランを立て、実行する。私からすると起業するのと同じ。今までは自治体にボールを預けている状態だった。『県がお金を出してくれない』『誰々が動いてくれない』と言っていても意味はない。責任を持つ人間が必要。アリーナ建設は30年回収にかかる投資。理論と経済合理性を両立させれば成立する。30年のプランと30年の責任さえあればアリーナはもうかる。事業の収益性に対して資金を出す人は民間でたくさんいる。上場企業の社長として資金調達を経験しているので、何をすればいいかが分かる」と説明する。

 「滋賀の琵琶湖は日本一」と言い続けている上原さん。「滋賀はとても良いところなのに、県民は自信を持っていない。皆がプライドを持ち、昇華させられるような場所がアリーナで、その中心にいるのがスポーツコンテンツとしての滋賀レイクスターズ。滋賀県唯一のプロスポーツクラブという恵まれた環境はほかにはない。彦根と大津、2大都市が電車で40分で接続されていて、この間の9市に105万人が住んでいる。プロスポーツを事業として営むには恵まれた環境」と滋賀県の可能性を話す。

 「世界的に人口が減少していく中、サステイナブルな社会をつくるには、スポーツエンターテインメントはエコ。材料費や原料費もかからずに価値がすぐに生まれる。サステイナブルな社会とは、人間が『明日も楽しく生きていたい』と思える社会。スポーツエンターテインメントは人をわくわくさせる。わくわくは人の生きていく力になる。アリーナがあって、週末のレイクスの試合を生きがいにする人がいて、田舎に生まれた子どもも大きな夢を描くことができる。そういったサステイナブルな社会のモデルを日本の地域がつくり上げていくことが必要」とも。

 滋賀は開幕から6勝2敗と好成績でスタートした。上原さんは「チーム人件費はリーグの中でも高くはない。変わったのは、勝ちにこだわるクラブの姿勢と情熱的なヘッドコーチ。勝ちにこだわる強いクラブにフロント、チームが一丸になって向かっている。ルイス・ギルヘッドコーチは情熱的だが、実はデータに基づく緻密な戦術があり、それを若い選手にインストールして、選手がリーダーについていくことを決めてやれているから組織として機能している。デジタルとパッションの重なるところに最高のものが生まれる。勝ちにこだわり、同時に地域を愛する日本一のクラブをレイクスは目指す」と意気込み見せた。

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