コッペパン専門店「ふわこっぺ膳所駅前店」(大津市馬場)がオープンして1カ月がたった。
「ふわこっぺ」」は2019年9月、阪神西宮にオープンしたコッペパンサンドの専門店。関西を中心に、全国にフランチャイズ展開している。滋賀県初出店になる膳所駅前店は10店舗目。コッペパンに卵サラダや焼きそば、チョコバナナやホイップクリームを挟んで提供する。同店では、23種類の定番メニューと季節限定の生チョコとカニクリームコロッケを提供する。土曜・日曜・祝日のみフレンチトーストも販売する。
オープンのきっかけについて、店長の中村真理子さんは「ずっとパン店で働いていて、独立したいと思っていたが、開業資金の問題であきらめて違う仕事に就いていた。コロナ禍で安定してずっとできる仕事を探していたときに夫が『ふわこっぺ』のフランチャイズ制度を教えてくれた。大津市はパン店が多く、普通のパン店では勝てない。何か一つに特化していないと厳しいと思っていたので、コッペパン専門店なら勝負できると感じた」と話す。「どの世代も、コッペパンは給食で食べたことがあり、なじみがあって、ボリューム感もある。挟む具材により雰囲気が変わるのもいいと思った。オリジナルのメニューを作れるのもよかった」とも。
6月に出店を決め、7月に膳所駅前の7坪の店舗を見つけた中村さんは「膳所駅はJRと京阪電車の駅が密接していて、1日当たりの乗降客数も多い。立地条件がよく、この場所に決めた」と話す。9月のオープンを目指したが、新型コロナウイルスの影響で工事が遅れ、半導体の不足により冷蔵庫の搬入も遅れた。中村さんは「通りかかる人が、『何ができるの?』『オープンしたら買いに来るね』と声を掛けてくれてうれしかった」と振り返る。
7坪の店内にはパンの陳列棚を置かず、カウンターにコッペパンサンドの食品サンプルを並べる。中村さんは「店が狭くサンプルを置くしかなかったのが皆さんの目を引いたようで、子どもが入り口のガラスに顔を押し付けて『あれ食べたい』と言っていることもあった」と話す。
10月28日にオープンすると、店頭には連日行列ができ、早い日には13時に売り切れる日もあった。中村さんは「予想以上の反響で、一人では対応しきれなくなってアルバイトを雇った。オープン以来、行列ができない日はなかったが、1カ月たってやっと落ち着いた。今後はウーバーイーツにも対応したい」と話す。
中村さんは「地元の食材はレタスだけだが、今後は増やしたい。子どもがお小遣いでも買える値段に設定したので、幅広い年代の人に食べてもらって、『ここのコッペパンが懐かしい』と思ってもらえるような地域に定着した店にしたい」と意気込む。
営業時間は7時30分~18時。売り切れ次第終了。テークアウトのみ。