人形供養で集まったひな人形を展示する「ひな人形展」が2月10日から、西教寺(大津市坂本)で開催される。
西教寺は聖徳太子の創建と伝わる天台真盛宗の総本山。ひな人形展では、同寺が引き取り供養したひな人形の一部を展示する。
展示に合わせ、ちらしずしなどの「ひな御膳」を提供。期間中4回、ひな人形研究者の藤原愛子さんが講座を開く。3月3日には今年の人形供養法要も行う。
人形の供養を始めたのは1999(平成11)年。1995(平成7)年の阪神淡路大震災で家が倒壊した人から「行き場を失ったひな人形を供養してほしい」と相談を受けたのがきっかけという。持ち寄られた人形の中には、江戸時代の人形や地域性のある珍しい人形もあり、藤原さんから「供養して処分してしまうにはもったいない」とアドバイスを受け、展示も始めた。
「震災で被害を受けた人が、家の整理で人形を捨てることができず人づてに相談してきた。転居や子の成長などさまざまな事情で行き場を失ったひな人形もあるだろうと供養を始めた」と同寺主事補の前阪良樹さん。「有名な人形を集めたわけではなく、供養のために持ち寄られた人形だけのひな人形展はほかにないと思う。人形の仕事は見てもらうこと。子どもの成長を見守り、役目を終えた人形をもう一度見てもらいたい」と来場を呼び掛ける。
拝観時間は9時~17時。拝観料は、大人=500円、中学生=300円、小学生=200円。人形展は3月10日まで。ひな人形講座の開催日は、2月12日・19日・27日、3月6日。ひな御膳の提供は3月6日まで。