5月6日、琵琶湖でチョウザメが捕獲された。
琵琶湖博物館に大津市北小松の漁師から「エリ漁にチョウザメが入っていた」との連絡があり、学芸員が確認に行き、博物館が引き取った。体長は約1メートル。現在は博物館の屋外水槽で飼育し、DNA分析で種の特定をする予定。
琵琶湖でチョウザメが捕獲されたのは5例目。琵琶湖博物館学芸員の金尾滋史さんによると、チョウザメはペットショップやインターネットで15センチほどの小さいサイズで販売されているが、最終的にはどの種も1メートル以上になる。寿命も長く、40年以上生きることもあるという。「『もっと広い場所で生きてほしい』と琵琶湖に放流するのは、優しさではない。琵琶湖にとっては大迷惑」と話す。
毎年のように、琵琶湖では観賞用の外来魚が捕獲されている。「飼えなくなったから、大きくなったからと、琵琶湖に魚やカメを放流することは絶対にやめてほしい」と金尾さん。在来種が捕食されるだけでなく、生息場所や餌の確保で競合や、日本になかった病気や感染症が広まる恐れもある。「死んだ魚を川や琵琶湖に流すこともやめてほしい。飼おうと思うなら、まず、どれだけ大きくなるかや、寿命、どんな環境で飼育したらいいかを調べてほしい。飼わないという選択肢もある」と話す。
同館には月に1度ほど、飼えなくなった魚や亀を引き取ってほしいという連絡が入るが、断っている。「安易に『引き取って』という行為は、生き物に対して失礼なことなのだと諭している。飼う覚悟と責任を持って、最後まで面倒を見てほしい」と訴える。