外国籍のスタッフと一緒に英語で会話しながら文化財を見学するイベント「エクスチェンジウォーク」が5月26日、三井寺(大津市園城寺町)で開催された。
大津市の国際交流活動と多文化共生社会に適応した地域づくりのための活動を行う大津市国際親善協会(OIGA)が主催するイベント。言葉を交換してお互いを知り、大津の文化財を知ることを目的に、2021年5月に石山寺、11月に比叡山坂本で開催した。
この日は40代から70代の男女19人が参加し、4班に分かれ、イギリス、ポルトガル、シンガポール、カナダ国籍の滋賀・京都在住のイベントサポートスタッフを進行役に三井寺境内を散策した。
文化財収蔵庫では国宝・勧学院客殿の狩野光信のふすま絵などを見学。「弁慶の引きずり鐘」の見学では、大津市の会社員橋井浩司さんが、ポルトガル出身のマルタさんに、弁慶が鐘を引きずってできたといわれる傷について英語で説明する場面も。弁慶の引きずり鐘の近くにはクジャクが飼育されており、クジャクが羽を広げると、参加者から歓声が上がった。
近江八景の「三井の晩鐘」として知られる梵鐘(ぼんしょう)を鳴らす体験や、金堂の中に安置されている仏像の見学をした参加者は、分からない単語があるとスマートフォンで検索するなどしてマルタさんとの英会話を楽しんだ。
橋井さんは「以前は仕事で英語を使っていたが、今は話す機会がない。初対面の人としゃべるのは楽しかった」と話した。大津市の女性は「仏像などを見て歩きながら話すので、緊張せずにリラックスして英会話を楽しめた」と話した。
OIGAの大森幸路さんは「コロナ禍でも安心して英会話ができるようにアウトドアで開催した。初対面の人がフランクに英語だけを使って話し、三井寺の自然と文化財を見て、国際交流の機会となったと思う」と話した。