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大津の造園会社社員が「技能五輪国際大会」で銀賞 エストニアで

技能五輪国際大会で銀賞を受賞した近江庭園の浦辻さん

技能五輪国際大会で銀賞を受賞した近江庭園の浦辻さん

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 10月24日から27日にエストニアで行われた第46回国際技能技術大会(通称:技能五輪国際大会)造園部門で近江庭園(大津市苗鹿)の浦辻知菜莉さんと伊万里春光園(佐賀県)の中野太一さんのペアが銀賞を受賞した。

銀賞を受賞して喜ぶ浦辻さんと中野さん

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 技能五輪国際大会は、原則22歳以下の青年技能者を対象とした世界大会で、造園のほか、左官や建築大工、美容・理容、飛行機整備、グラフィックデザインなどの技術を競う。1950年から2年に1回開催されている。

 46回大会は2021年に中国・上海で開催を予定していたが、新型コロナウイルスの影響で1年延期され、2022年も上海のロックダウンのため中止となった。代替措置として15カ国で9月から11月にかけて分散開催されることとなった。

 造園部門はエストニアで行われ、2020年に技能五輪全国大会で金賞を受賞した浦辻さんと中野さんが出場した。浦辻さんと中野さんは磯城野高校(奈良県)の環境デザイン科の同級生で、高校3年時にも全国大会に出場している。

 技能国際大会では、16カ国の代表者が決められた図面、資材で42平方メートルの庭園を4日間の工程に分けて施工し、その正確さや美しさ、作業態度、安全管理、道具の扱いなどを競った。

 浦辻さんは「会場に入ってから道具や資材の確認をする。のこぎりも日本のものとは違い、押し切りでサイズも大きい。図面も前日に渡されるので、会場で確認して、中野さんとコーチと打ち合わせをした」と話す。

 大会当日の様子については、「最終日の終了1分前、会場に響く『ワンミニッツ』の声と、観客の声援の中、きちんと仕上がっているか緊張しながら確認した」と振り返る。閉会式は映画館で行われ、銀賞の発表を受けた浦辻さんは「飛び上がって喜び、コーチにコアラのように抱き付き」全身で喜びを表したという。

 2020年に日本代表に決定してから2年間延期になったことから、浦辻さんと中野さんはそれぞれ滋賀と佐賀で仕事をしながら、週末は磯城野高校に通い練習を重ね、4月からは仕事を休んで高校で毎日練習をした。浦辻さんは「エストニアの風景に合う庭というコンセプトはあったが、大会前日まで図面はもらえないので、どんな図面だったとしても対応できるように1週間に1度、違う人に図面を描いてもらって図面通りに施工する練習をした。多くの人にサポートしてもらい、予選から本選までが長かったおかげで成長できた」と感謝する。

 近江庭園の会長で、高校時代から浦辻さんと中野さんに造園を教えてきた寺下弘さんは「この2年間で、2人は木工、石工、植栽、配管など造園に必要な技術を学び、大会では自分たちの作品を造ることができた。普通は5年、10年と経験しないと作品にまとめる力が付かないが、2年間訓練したことで技術と自分なりの感性を身に付けたのではないか。これからは『あの人に庭を造ってもらいたい』と思ってもらえる技術者に育ってほしい」と期待する。

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