買う 暮らす・働く 学ぶ・知る

野洲市ピエクレックスが植物由来の合成繊維でできたタオル CO2削減に

ピエクレックスタオルをアピールする井上さん

ピエクレックスタオルをアピールする井上さん

  • 5

  •  

 ピエクレックス(野洲市大篠原)が7月28日、植物由来の合成繊維でできたタオル「ピエクレックス タオル」を発売した。

ピエクレックスTシャツ、靴下、タオル

[広告]

 「ピエクレックス」はトウモロコシやサトウキビなどを原料とする植物由来の合成繊維で、村田製作所(京都府長岡京市)と帝人フロンティア(大阪市)が共同で開発した。

 原料となるポリ乳酸には伸縮すると人間が感じない程度の微弱な電気を発生する「圧電性」があり、発生した電気により菌の増殖を防ぐ効果があるという。タオルの名産地である泉州(大阪府南西部)の成願(泉南市)と協力して糸のより方や織り方に工夫を重ね、柔らかくて手触りがよく、菌の繁殖を防ぐのに十分な電気が発生するように設計した。

 ピエクレックスの井上貴文さんは「以前より村田製作所ではフィルム状のポリ乳酸を曲げると電気が発生する性質を利用してセンサーなどの電子部品を作っていた。糸にしたらもっと他の製品に生かせるのではないかと、繊維を専門とする帝人フロンティアに声をかけたことがきっかけ」と振り返る。

 2社は2020年に合弁会社の「ピエクレックス」を立ち上げ、メーカーに向けて糸や生地の販売を始めた。一般向けの商品の販売を始めたのは今年の2月。Tシャツを販売し、「びわ湖マラソン2023」の大会公式Tシャツにも採用された。滋賀レイクスのオフコートウエアにも採用されている。

 「ピエクレックス」は植物由来であることから、一定の条件下で微生物によって分解される生分解性も持ち合わせ、使い終わった商品を焼却せずに土に埋め分解することでCO2の排出量を減らすことができる。

 井上さんは「将来的にはユーザーから製品を回収し、分解する堆肥場を各地に作りたい。『地球に優しいプラスチック』というだけでなく、回収して土に埋め、その堆肥を農業や林業にも生かせるような環境システムを構築したい」と話す。

 「アパレルは新規供給量の半分以上が焼却処分されている。最終の処分をユーザーに委ねるのではなく、廃棄まで責任を持って取り組みたい。着るだけ、使うだけで環境問題に貢献できる商品にしたい」と意気込みを見せる。

 価格はハンドタオル=880円、フェイスタオル=1,870円。楽天市場や「B印MARKET BEAMS」などのECサイトで購入できる。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース