守山市のメンズテーラーブランド「DAVID LAYER(デビッド・レイヤー)」が9月にイタリア・ミラノで開催される服飾ブランドの新作発表会「ミラノ・コレクション(ミラノ ファッション ウイーク)」に出展することが決まった。
ミラノ・コレクションに12分間の「デビッド・レイヤー ステージ」が設けられ、和柄のスーツなど24着を発表する予定。社長の伴野友彦さんは「男性テーラーデザイナーがミラノ・コレクションに出展するのは日本では初めてと聞いた。単独のステージを設けてもらうのも珍しいことで、快挙だと言われた」と喜ぶ。
きっかけは昨年9月、伴野さんのインスタグラムを見た海外のエージェントからのメールだったという。伴野さんは「英語のメールだったので、詐欺ではないかと疑ったが、翻訳してみたら出展オファーだった」と振り返る。「うれしいが信じられない気持ちだった。オファーをもらった以上、挑戦して、何よりも楽しみたい」と話す。
伴野さんが弟の彰洋さんと共にオーダースーツ専門店を始めたのは2012(平成24)年。家賃1万円の部屋を2人で改装し、創業。1カ月に1人、2人しか注文がなかった頃から「いつかミラノやパリのコレクションに出展したい」と公言してきた。伴野さんは「夢物語を語っていると笑われたが、言葉に表してプレッシャーを与えることで自分を駆り立てた。行動し、継続することで夢をかなえる可能性が上がる」と話す。
「デビッド・レイヤー」は、1万5000種以上の生地と2000種以上の裏地、ボタンを取りそろえ、3万円台のオーダースーツから和柄やバイカラーなど独自性の高いオーダースーツまでを手がけている。伴野さんは「世界に1着、名刺代わりのオーダースーツを世界中の人に着てもらいたい」と話す。
2021年にはプロ野球日本ハムの新庄剛志監督が記者会見で着用したスーツを作って話題になった。「いろいろなことが重なってここまで来た。ミラノ・コレクションでは、和柄のスーツで日本魂を見せ、世界に衝撃を与えて、守山市をアピールしたい。地元の活性化にもつながれば」と意気込みを見せる。