10月1日に開催される「LAKE BIWA TRIATYLON(レイクビワトライアスロン)」のスタッフウエアのお披露目式が9月25日、野洲市役所(野洲市小篠原)で行われた。
レイクビワトライアスロンは第二なぎさ公園(守山市今浜町)をスタート・ゴールとして守山市内、野洲市内で開催するトライアスロンレース。大会コンセプトの一つに「サステナブル」を掲げ、大会中に出たごみの回収、再生段ボールの使用、参加者の自転車輸送のカーボンオフセットなどに取り組む。
25日には、実行委員会のスタッフウエアにサステナブル素材「PIECLEX(ピエクレックス)」を使うことが発表された。「ピエクレックス」はトウモロコシやサトウキビなどを原料とする植物由来の合成繊維で、村田製作所(京都府長岡京市)と帝人フロンティア(大阪市)が共同で開発した素材。植物由来であることから、一定の条件下で微生物によって分解される生分解性があり、使い終わった商品を焼却せずに土に埋め分解することでCO2の排出量を減らすことができる。貝ボタンを使い、ボタンも分解されるようにした。イベント終了後に廃棄されることが多いスタッフウエアは、普段使いができるようにシンプルなデザインにした。
トライアスロンレースに出場する森中高史守山市長と、会場となる野洲市の栢木進市長に「ピエクレックス」素材のウエアが贈られた。ウエアに着替えた栢木市長は「着心地がいい」と喜んだ。森中市長は「土に返る素材の物は増えてきたが、誰が回収して分解するのかが分からないことが多い。ピエクレックスは回収のスキームまで考えている」と感心した。
村田製作所の社内ベンチャーであるピエクレックス(野洲市大篠原)の玉倉大次社長は「村田製作所の各拠点で分解して堆肥にする場所を確保してある。参加者に配布したピエクレックスタオルを1年後に回収して堆肥にすることで大会のリピーターを増やせれば」と話した。
そのほかのサステナブルの取り組みとして、763人の参加者に「ピエクレックス」タオルや守山市産の米などの参加賞を送る段ボールは、滋賀県を中心にスーパーマーケットを運営する平和堂の店舗から回収しリサイクルした再生段ボールを使用した。参加者の自転車を貨物コンテナやバイオマス燃料のトラックで輸送することで、輸送時のCO2排出量を減らす。
過去2回は新型コロナウイルスの影響で無観客で開催したが、今年は初めて有観客で開催し、キッチンカーも出店する。大会で出るごみはびわこ成蹊スポーツ大学の学生が協力して分別して回収する。実行委員長の田中信行さんは「運営が変われば参加者の意識も変わる。サステナブルの取り組みについて、選手が地元に帰って広めてもらえれば。環境に配慮して地域貢献できるスポーツイベントにしたい」と意気込みを見せる。
大会の開催時間は6時30分~15時。6時15分から8時45分までは琵琶湖岸、7時から12時までは守山市内(もりやまエコパーク付近)で交通規制が行われる。