滋賀県立守山中学・高校(守山市守山3)が2024年度から、SDGs制服を採用する。
卒業生の不要になった制服を回収し、再利用(リユース)と再資源化(リサイクル)を行う。デザインはリニューアルしないことから、再利用できる制服は修繕。レンタル制服として貸し出す。再利用できない制服はJEPLAN(ジェプラン、神奈川県)が手がけている衣服から原料を再生する「BRING(ブリング)プロジェクト」というシステムを活用。サステナブルな再生ポリエステルとして再資源化する。卒業生からの回収は来年春に始める。
再資源化では、再利用できない制服をJEPLANの工場がウールとポリエステルに分解。分解したポリエステル繊維から作る再生ポリエステルで新たな服を作る。ポリエステルの原料となる石油の使用量を減らすことができるだけでなく、再利用できない制服をごみにすると焼却時に発生するCO2も削減する。
採用のきっかけは、11月に行われる守山高校60周年・中学20周年記念式典でJEPLAN創立者の岩元美智彦さんに講演を依頼したことという。同校の明吉正知校長は「岩元さんの著書を読み、制服をリサイクルできないかと考え始めた」と振り返る。同校の制服を製造する明石スクールユニフォームカンパニー(岡山県)の担当者に相談したところ、同社がBRINGシステムを活用した取り組み「Re-Ring School」を開始していたことから、採用が決まった。
明吉校長は「PTA役員会と生徒会に声をかけ、賛同してもらえたので採用を決めた。皆で取り組むという意識を高めるために認定書には、PTA会長と当時の生徒会長にも署名してもらった。無理のないSDGsの一つとして取り組みたい」と話す。
当時の生徒会長で、守山高校3年の高田大さんは「環境について考える授業が多く、何かしたいと思っていた。生徒会は、この取り組みについて生徒に伝えるパイプとして活動している。卒業式が近づいたら回収ボックスを設置するので、皆に声をかけて、不要になった制服がどのように役立つのかを伝えたい」と話す。
明石スクールユニフォームカンパニーの椙田泰司さんは「循環型のシステムを知り、制服を着用することが環境学習にもなる。リサイクルに熱心な学校なので、回収率も高いのではないか」と期待を寄せる。