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ヴィアベンテン滋賀、滋賀県1部に昇格 100人以上のサポーターが祝福

喜ぶヴィアベンテン滋賀の村田和哉さんと高橋さん

喜ぶヴィアベンテン滋賀の村田和哉さんと高橋さん

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 守山市を中心に活動する滋賀県社会人サッカー2部リーグ所属の「ヴィアベンテン滋賀」が11月12日、1部への昇格を決めた。

最終試合には100人以上のサポーターが応援に駆け付けた

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 ヴィアベンテン滋賀は、セレッソ大阪、清水エスパルス、柏レイソルなどJリーグで活躍し、2021年1月に現役を引退した村田和哉さんが立ち上げたチーム。「滋賀県にJリーグを」を目標に、2022年に滋賀県社会人サッカー3部リーグに参戦。全勝で2部に昇格した。2023年は9勝1分けで2部リーグ優勝し、1部リーグへの昇格を決めた。12日の最終試合には100人以上のサポーターが応援に駆け付け、9-0で守山侍ESTILOに勝利した。

 村田さんのほか、市役所職員や大学生、会社員など20代から30代の26人が選手として今シーズンを戦った。会社員の瀧藤良介さんは大学卒業後、関西1部リーグのチームで選手としてプレー。25歳で選手を引退し、会社員をしながらスポーツ少年団の指導者になった。「このまま会社員として終わっていくのだと考えていた」瀧藤さんは、村田さんが滋賀にチームをつくると聞き、練習参加。「やっぱりサッカーは楽しい」と感じ、入団したという。

 瀧藤さんは「5年のブランクがあり、1年目は思うようなプレーができなかったが、今年は禁酒してリーグ戦に臨んで結果を出すことができた」と話す。村田さんは「プロよりプロ。陰で努力している」と評価する。

 今年から加入した佐藤大地さんもサッカーから離れていた時期があったが、村田さんが何度も声をかけ、入団に導いた。佐藤さんは村田さんが引退して滋賀に戻ってきた2021年に村田さんの母校野洲高校でエースナンバーの10番を付けてプレーしていた。「プロになれる」と感じた村田さんがJリーグチームに佐藤さんの動画を送るなどサポートしたが、プロ入りは実現せず、佐藤さんは就職した。

 今年、「ヴィアベンテンの起爆剤となる選手が欲しい」と考えた村田さんは佐藤さんに声をかけ、練習参加にこぎ着けた。村田さんは「毎日のように『ヴィアベンテンのファンタジスタになれる』と口説いた」と振り返る。

 加入した1カ月後、佐藤さんは脚を骨折。村田さんは「もう戻ってこないかもと思ったが、戻ってきてくれた。帰ってきたことが彼にとっての成長」と話す。佐藤さんは当時のことを「ここで辞めたらチームのみんなを裏切ることになると思ってリハビリをして戻ってきた。けがをした時に辞めずに続けてよかった」と振り返った。村田さんは「野洲高校の監督からも『佐藤がまたサッカーをしてくれてうれしい』と喜んでもらえた。見ていて気持ちがよくなるプレーをする選手。会場が沸く」と笑顔を見せる。

 同チームは、サッカーだけでなく、地域貢献活動にも積極的に取り組んでいる。村田さんが滋賀県各地の学校での講演会を行うほか、清掃活動、地域イベントなどに村田さんだけでなくチームのメンバーも参加している。村田さんは「滋賀県リーグのチームにスポンサーがたくさんついてくれている。企業は僕たちがどんなサッカーをしているかは知らないが、どんな取り組みをしているかは知っている。サッカーをしたことがない人に『スポーツは楽しい』と思ってもらえる活動もしている。選手と一緒に自転車で琵琶湖一周もした。普通じゃないことを成し遂げていくチームでいたい」と話す。

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