イラストレーターの世津田スンさんが守山北高校の生徒に向けて講演する「もりきた未来シンポジウム」が7月18日、守山市民ホール(守山市三宅町)で開催された。
守山北高校の生徒たちに向けて話をするイラストレーターの世津田スンさん
同校は文部科学省が推進する「新時代に対応した高等学校改革推進事業」の指定校となり、滋賀県が2025年4月、新学科「みらい共創科」を設置する。新学科設置を前に同校が学校の未来を生徒、保護者、地域の人と共に考えるシンポジウムを実施した。
当日は、甲賀市出身のイラストレーター世津田スンさんが「イラスト・心理学で切り拓(ひら)く人生」と題して講演。世津田さんは実業団の野球選手引退後、イラストレーターとして活動し、ボカロPくじらさんの「金木犀 feat.Ado」のイラストやソーセージのCMのキービジュアルなどを担当している。独学で学んだ心理学と自身の経験を基に、「自分だけの人生を切り拓く方法」を伝えた。
「勘違いに気が付くと人生はイージーモードに入る」と世津田さん。「第一の勘違いは学校が学ぶ場所だと思うこと。勉強も部活も経験の蓄積。後になって学んだことが役に立つ。今、僕の話を聞いて人生が変わるわけではないが、今は経験をため込んでいる時だと思ってほしい」と呼びかけた。「やる気があることは奇跡。やる気を出し続けるといつか壊れる。リラックスするとアイデアが浮かんだり、『そろそろやらないといけない』と自ら思えたりする」とアドバイスする場面も。「自分の人生を作るこつ」として生徒たちに、「夢より自分がどうありたいかという自分の価値観を見つけること。失敗は恥ではない。一生懸命な人が格好悪いのは当たり前。コントロールできないものを変えようとしない」などと伝え、講演を終えた。
講演の後は「ようこそ先輩」として招いたゲストで、同校卒業生のメンズテーラーブランド「DAVID LAYER(デビッド・レイヤー)」(焔魔堂町)の社長・伴野友彦さんや守山市役所職員の杉本聡さんらが人生のモチベーショングラフを紹介すると、生徒たちから歓声や拍手が起こった。
1年生の駒崎司さんは「失敗は恥ではないという言葉が印象に残った。いつも失敗を恥ずかしがっていたので、次からは恥ずかしがらずにチャレンジしたい。卒業生の人生のグラフを見て、全てがうまくいくわけではないと知った。失敗しても落ち込まないようにしたい」と話す。