平和堂財団芸術奨励賞受賞者演奏会「鳩の音楽会2024」が9月29日、栗東芸術文化会館さきら(栗東市綣2)で開催される。
平和堂財団は、滋賀県を中心にスーパーマーケットを運営する「平和堂」(彦根市)創業者の夏原平次郎さんが私財を寄付して1989(平成元)年に設立した財団。1991(平成3)年から、滋賀県出身の新進芸術家の活動を支援し、滋賀県の文化・芸術の振興に寄与することを目的として将来有望な演奏家に芸術奨励賞(音楽部門)を贈呈している。現在までに89人が受賞。毎年、受賞者による演奏会を実施している。
今年は9月に2023年度の音楽部門受賞者であるピアノ奏者の谷口和真さんとフルート奏者の西浦千陽さんのお披露目公演として、「鳩の音楽会2024」が3公演行われる。栗東公演のほかは、26日の高槻城公園芸術文化劇場(高槻市)、28日のひこね市文化プラザ(彦根市)の2公演。西浦さんと谷口さんが2人でドビュッシーの「月の光」を演奏するほか、ソロ演奏や、ピアニストの久津内瞳さんとチェロの城甲実子さんをゲストに迎えた四重奏も披露する。
谷口さんは大津市出身で、東京芸術大学音楽学部付属高校3年生。「鳩の音楽会」では、シューマンの「ピアノ・ソナタ第1番」など3曲をソロで演奏する。芸術奨励賞選考委員でもあり、今公演のアドバイザーを務める稲垣聡さんは谷口さんについて「演奏能力が高く、ダイナミックな響きを出せる。これから先、音楽以外のことも含めて経験してもらいたい。将来いいピアニストになると嘱望されている存在」と評価する。
西浦さんは大津市出身で、3月に愛知県立芸術大学院を卒業した。「鳩の音楽会」では、久津内さんと共に「カルメン幻想曲」などを演奏する。西浦さんは「クラシックになじみがない人にも楽しんでもらえるように、CMやカフェのBGMなどによく使われる曲を選んだ。『どこかで聞いたことがある』と思ってもらえると思う」と話す。稲垣さんは「響きが豊かで的確な演奏能力と音楽性がある。大学院を卒業し、滋賀に戻ってきて活動するのが楽しみ」と期待する。
開演時間は3会場とも15時。入場無料。申し込みはチケットぴあのサイトで受け付ける(応募多数の場合は抽選)。申し込みは8月4日まで。